好き、なんだよ。
※回想



「奈和の探し物って...これ?」



彼の手に握られたものを見て私は思わず泣き出した。



「えっ?違った?違ったのか?」



頭が取れそうなくらいぶんぶんと首を真横に振った。



「それだよ。玲音くん、ありがと」



教室のヒーターの前で暖を取るばかりで探すのを諦めていた私に彼は言った。



「オレが絶対見つけてやるって言っただろ?見つかったんだから泣くな」



私はお気に入りのハンカチで涙を拭いて彼の手を借りて立ち上がった。



「見つかって良かったな」


「うん。本当にありがとう」


「もう絶対失くすなよ」



彼は私の真っ赤なランドセルにキーホルダーをつけ直してくれた。



「よし、帰るぞ!」


「うん!」



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