好き、なんだよ。
山手線ゲームが一段落したところで、オレの真後ろに座っていた相澤が話しかけてきた。



「なあな、2人めっちゃ仲良いけど、いつどこで出会ったんだよ」


「は?」


「何とぼけてんのぉ?さては照れてるな?」



夏音にマシュマロを押し込まれる。


3袋も持ってきているからまだまだ残りはある。



「出会ったのは小4でわたしが宮森町に引っ越してきた時で、小学校1クラスしかなかったから自動的に同じクラスになったの。で、そこから今までずっと同じクラスなんだぁ」


「へぇ、運命じゃん!」


「でね、中学2年の時に、夏音と付き合いたいんだけどいいって聞かれて...」


「そうなんだ。で、どこでそんなことを?」



夏音、恥ずかしいから言うなよ。


お願いだ。


黙っててくれ。


うまく話題を反らせないかと悩んでいる間に、夏音は顔色1つ変えず話し出す。



「放課後部活行く前、急にわたしの席に来てぼそっと」


「意外だな~。見た目からして女の子に慣れてる感じなのに」


「ピュアってか、うぶ」


「見た目で人を判断すんな」



ったく、どいつもこいつもオレを見た目でしか判断しない。


酷すぎるだろ。


もっと多面的に見るように心がけてもらいたいものだ。



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