好き、なんだよ。
朽木奈和と栄木夏音。


こんな対照的な名字があるかと最初は思った。


朽ちてる木と栄えてる木...。


名前に至っては漢字違いで同じ。


名前が平凡な私と夏の音という素敵な音色を奏でちゃってるなおさん。


これだけでもう負けは確定だ。


しかし、栄木さんに負けているのはこれだけじゃない。


栄木さんは見た目が可愛いし、万人に愛される性格だし、成績優秀。


運動は少々苦手で、泳げないし、バレーはレシーブが出来ない。


だけど、なぜか足は速くて全力疾走すればクラスの女子1速い。


それがまたいい、らしい。


この罪レベルの可愛さと計算されたようなヘタレ具合やあざとさを不快に思う人は数人はいる。


しかし、そういう人たちは少数で思っていても口に出さない、"サイレントマイノリティ"だから気づかれない。


それに、栄木さんは出来ないなりに良く頑張り、奇跡だって起こす。


バスケでゴール下に立っていれば、パスが来た時に確実に入れるんだ。


まさに奇跡の娘。


そんな彼女に私なんかが敵うわけない。


< 14 / 509 >

この作品をシェア

pagetop