好き、なんだよ。
「朽木に聞きたいことがある。あの日からずっと聞きたかったことだ。絶対逃げるんじゃねえ」


「...何?」



なんて聞き返さなくたって分かる。


彼の聞きたいことくらい。


鈍感だから、私の気持ちなんか1パーセントも0.1パーセントも気づいてもらえていないようだけど。


......だけどね、


終わりにしよう。


始めるために、


終わるんだ。


私は真っ直ぐ彼の顔を見た。



「朽木は...あの日...あの日なんで、どうして......夏音の...夏音の私物を盗んで...埋めようとしたんだ?」



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