好き、なんだよ。
「朽木さん」


「わっ!」


「何してたの?もう順番来たよ」


「あ...ごめん。ありがとう」



見れば私の列の人がみんな書いて戻って来ていた。


1人取り残され、みんなの視線が集まる。


チョークを持つ手が小刻みに震える。


私はなんとか書き終え、そそくさと自分の席に座った。


2人はまだ話している。


私の方なんて見てない。


見てなんてくれない。


そんなこと、ずっと前から分かってるのに。


私は...求めてしまう。


あの日と同じ


キミの優しさを。



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