好き、なんだよ。
12月の2週目に出したバイトの休みの申請は呆気なく却下された。



「皆休みたがるんだよな。26日は休ませてあげるからさ、頑張ってくれ」



オレは24も25も朝から晩までバイトだった。


最悪というしかないのだが、嬉しいことはクリスマス当日に夏音が家に来てアネキと料理を作って待っていてくれることだった。


自転車のハンドルを握る手が冷たく、顔は冷えきって寒いより痛かった。


1番の被害は耳で、真っ赤になる上にちぎれそうになるくらい痛いのだ。


そんな中自宅まで自転車を漕ぎ続けなければならないのは何かの修行のようだった。



< 276 / 509 >

この作品をシェア

pagetop