好き、なんだよ。
※回想



「お待たせしました。ごめんね、時間ギリギリになっちゃって」


「遅いよ~。でもそういうところが可愛い。よし、行こっか」


「うん」



早速ビデオカメラで撮られていた。


私の顔は映さないという条件付きで動画を撮るのもオーケーした。


クリエイター気質の春くんは、カメラだけじゃなく、色んなことに興味を持ち、それを自分の感性で表現するのだ。


私の知らないところで色んなクリエイターさんたちと交流してるのも知っていたし、そのせいで私との時間が減っているのも分かっていた。


だけど文句を言ったり、誰かに愚痴ったりすることもなかった。


才能ある人のカノジョになったんだからそれくらいの我慢は当然だと考えるようにした。


ポジティブ思考になったことで、私は全てを受け入れる寛大な心を手にいれることが出来たのだ。



「今日はカメラ2台で大変だね。片方もとうか?」


「大丈夫。だって今日浴衣じゃん」


「そっか。ごめん、ごめん」



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