好き、なんだよ。
その一方で謝ることも増えた。


たとえ約束の時間に間に合ったとしても春くんが先に来ていればごめんと言うし、撮影中にミスすれば私のせいだと頭を下げる。


春くんの感性を磨くのも私。


磨く時間を削るのも私。


才能を引き出すのも私。


才能を閉じ込めてしまうのも私。


朽ちた私が春くんを枯らさないように栄養を与え続けなければならない。


だから時には無理をする。


辛いこともなくはない。


だけど、耐える。


考えないようにする。


幸せな時を思い出す。


そうやって過ごしていくんだ。


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