好き、なんだよ。
「うん、今日もいい感じに撮れてる」


「良かった。じゃあそろそろ花火見に行かない?」


「待って。もうちょっと川原で撮りたいな」


「分かった。今度はどんな感じがいい?」



私の専属カメラマンは春くんで、


春くんの専属モデルは私。


そう捉えてしまうと恋人というよりは仕事仲間みたいに思える。


付き合いたての頃は何もかも新鮮で、毎回どこに行くのかな、何を撮るのかなって楽しみにしていたけど、慣れって怖い。


次、この日この場所で何時から写真撮りに行きたいんだけど、いい?


とメッセージが来たら、


あ、うん、いいよ。


とあっさり承諾。


バイトの日に突然今日これからどう?と言われることも多々あって土日でもバイトは17時から入るように調整した。


これが当たり前なんだ。


当たり前だから、仕方がない。


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