好き、なんだよ。
夏休み明けの9月。
高校最後の行事の準備が始まった。
合唱コンクール、体育祭に続き、今年はいよいよラストの文化祭。
うちのクラスの出し物は早々に劇に決まった。
しかも大定番の白雪姫。
高校3年生で白雪姫は夢を見すぎだろうと世間の皆様から苦情がきかねないのだけれど、クラスの大半が賛成したから良しとするしかない。
賛成したのは逃げも隠れもしない事実があるからだ。
栄木夏音と香西玲音のキスシーンを見たい。
それがクラスの欲だった。
あれだけ仲良しカップルなのにキスさえもしたことがないと噂の2人。
クラス全員に仕掛けられているとは露知らず自らが進行を務めていく。
「じゃあ、皆さんのお言葉に甘えてオレが王子様役で。白雪姫は...」
「わざわざ聞かなくていいぞー」
「もちろん夏音ちゃんでしょ!」
と皆さんの指示通り、白雪姫は栄木さんになる。
私は演者ではなく、小道具係りになった。
高校最後の行事の準備が始まった。
合唱コンクール、体育祭に続き、今年はいよいよラストの文化祭。
うちのクラスの出し物は早々に劇に決まった。
しかも大定番の白雪姫。
高校3年生で白雪姫は夢を見すぎだろうと世間の皆様から苦情がきかねないのだけれど、クラスの大半が賛成したから良しとするしかない。
賛成したのは逃げも隠れもしない事実があるからだ。
栄木夏音と香西玲音のキスシーンを見たい。
それがクラスの欲だった。
あれだけ仲良しカップルなのにキスさえもしたことがないと噂の2人。
クラス全員に仕掛けられているとは露知らず自らが進行を務めていく。
「じゃあ、皆さんのお言葉に甘えてオレが王子様役で。白雪姫は...」
「わざわざ聞かなくていいぞー」
「もちろん夏音ちゃんでしょ!」
と皆さんの指示通り、白雪姫は栄木さんになる。
私は演者ではなく、小道具係りになった。