好き、なんだよ。
「お2人さ~ん、そろそろリハーサル始めるよ!」


「はーい!」



オレはあいつを視界から追い出し、夏音が転ばないようにエスコートする。


慣れないことをすると夏音はいつも転ぶ。


それはデート中でもそうで、ヒールなんて履いてきた日は散々だった。


小柄な夏音なりに背を高く見せたくて履いたのだろうが、いつまでもオレのシャツにしがみついて歩くもんだから、オレは何よりも先に彼女の靴を探した。


急にスニーカーの出費が出てしまうことも年に3回はあり、オレは毎回財布の中に2万はいれている。


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