好き、なんだよ。
言った......。


言っちまった......。


こんなヤツにだけど、


初めて


あいつのこと、


好きだったって、


素直に言えた...。



「へえ。で、また好きになったみたいな」



樋口はオレをバカにしてくる。



「んなことどうでもいい」


「どうでも良くはないんじゃないかな?君がさっき俺の話は否定したのに自分がそんなんじゃまずいでしょ?」



そうだな。


その通りだ。


だからオレは...。



「筋を通す。オレはオレの発言に責任を持つ。オレはオレの初恋を終わらせるんだ」


「勝手にしてくれ」



樋口がドアに向かう。


オレは樋口の足にしがみつきながら言った。



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