好き、なんだよ。
「オレは...もう朽木を苦しめたくない。ただそれだけ...なんだ。オレのせいで朽木は肩身の狭い思いをして生活してきた。そこに光を当ててくれたのは...樋口、お前だ。だから...だからお願いだ。朽木を悲しませないでくれ。オレが傷つけた分、樋口は朽木を癒してやってくれ。...頼む。オレにはもう出来ないんだ...」



涙が溢れた。


何かが始まり、何かが終わる。


それが人生だって今改めて感じた。


終わって始まるために今がある。


そう思う。



「朽木が昨日お前が撮った写真を見て泣いてた。お前も分かってると思うけど、あいつは抱え込んじまうんだよ。それであの日もああなった。朽木の話をちゃんと聞いてやってくれ。朽木だけを見てやってくれ。頼む。お願いだ」



お願い、だ......。


樋口......頼むよ。


頼みたくねえけど、


頼むよ...。



「分かった。君の言いたいことはよーく分かった。奈和ちゃんを泣かせるな。奈和ちゃんを悲しませるな。まとめるとそういうことだろ?俺のやり方で奈和ちゃんを幸せにする。それでいいな?奈和ちゃんの何でもない君にこれ以上口出しする権利はない。これで終わりだ」



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