好き、なんだよ。
「まぁ、暇だけど」


「だよな。朽木が忙しい訳ないよな~。よしっ、じゃあ出発だ。行くぞ」



私は彼の後ろ姿を見つめた。


昔からちっとも変わっていない。


小さいけど大きくて、


たくましくて、


飛び込みたくなる背中だ。


出来ないんだけど、


そんなことを思ってしまう。


思うだけなら罪にならないから、


私は思いを募らせる。



「おい、朽木!何してんだよ?早く来いよ!」



行くよ。


呼ばれたらどんな手段を使ってだって行くから、


だからお願い。


待ってて。


私が追い付くのを


ただ待ってて。



「ごめん。今行く」



私はそう言い、カバンを肩にかけ直し、走り出した。





< 399 / 509 >

この作品をシェア

pagetop