好き、なんだよ。
彼に黙って着いていくこと20分。


学校の最寄り駅から徒歩1分のグルメストリートにやって来た。


彼がお腹を擦りながら言う。



「まずは腹ごしらえだな」


「とは言ってもこの感じで食べるって...」


「腹が減っては戦は出来ぬ。知らないのか?」


「そのくらい幼稚園児だって知ってるよ」



ますますいじりが悪化してるように感じる。


私をバカにし過ぎではないか。


ならばこちらも応戦しよう。



「私のことバカにし過ぎだから。だいたいにおいて今日こんなことになる前に私に聞きにくれば良かったんじゃないの?もしかして...私が怖いとか?」


「怖くなんてねえよ、これっぽっちも。オレなりにな、お前の気持ちを汲み取ってこうなったんだ」


「汲み取ってたらこんなになってないと思うけどな」


「は?全部お前が悪いんだろ?オレの気持ちも知らず意味不明なことしやがって」


「別に香西くんには関係ないじゃん。あなたが来なかったら私と栄木さんの問題だったのに、勝手に首突っ込んで来るのが悪いんでしょ?」


「お前な。オレがどんだけ...」



と、その時だった。



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