好き、なんだよ。
お昼は予想通り讃岐うどんだった。


私が頑張って食べ続けたセルフのうどん屋。


2人共釜揚げうどんで、彼は南瓜の天ぷらを取る。


なんかイメージ通りっていうか、予想を裏切らない人だなって思った。



「何だよ、人のをじろじろ見て」


「ネギと天かすたっぷり派でしょ。で生姜は適量」


「一緒に来たことあったか?」


「ない。しかもこれが初めて」


「マジかよ。お前すげえな」



1年生の時、セルフうどんの話になってこんな感じで話してたんだけど、忘れてるよね。


私より栄木さんの方がなんでも分かってるんだろうな。


今日一緒にいるのが私でごめんなさい。


って感傷的になっている場合ではない。


お金を用意しないと。


と焦っていると、



「あ、こっちも一緒で」



と彼が言った。



「いや、いいよ。自分で出すから」


「オレが急に誘ったんだ。オレが出す」


「でも...」


「可愛くねえな。こういう時は奢られておけって」


「...分かった」



カノジョでもないのに奢ってもらっちゃうなんて悪いよね?


私に投資する分栄木さんに何か買ってあげられるのに。


栄木さんに悪いから後で2人分のプレゼントを買おう。





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