好き、なんだよ。
「朽木」


「何?」


「なんとなく分かった。つまり、お前は...お前はオレのこと...好きになって......叶わなくて、あの日あんなことを...」


「うん、そうだよ。好きだった。いや、今でも好き。...好き、なんだよ」



驚いたようで口をぽかんと開けている。


そんなところも全部いとおしい。



「言えなかった。言いたくてもずっと言えなかった。だけど、今日言えて良かった。言えないままお別れにならなくて...良かった」



私の言葉に、彼はあからさまに動揺し出した。



「ちょっと待て。お別れってなんだよ?まさか別の大学に行くとか」


「ううん、違う。私、就職するの。宮森町密着型スーパーの正社員。両親が離婚しちゃって大学どころじゃなくなっちゃったんだ」


「マジかよ、それ...」



驚かせてばかりでごめん。


だけど、今言わないともう2度と話すこともないだろうから、私全部話しちゃうね。


聞きたいことも聞かせてもらう。



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