好き、なんだよ。
と、皮肉を言われながらも聞き出してきた。


バカ香西と言われたのは、あの放送室での出来事以来だった。


親友を傷つけられた怒りを再度オレの名前を呼ぶことでぶつけて来た森下だったが、よくよく考えれば、そうなるのも無理はない。


今更ながら、オレは気づいた。


大切な者を傷つけられれば、どんな人間の心にも怒りが宿る、と。


森下......


本当に悪かった。


でも、謝れて良かった。


これでちゃんと、目の前のこいつと向き合えるから。




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