好き、なんだよ。
樋口くんは私の初めてのカレシだった。


青春ぽいことを一緒にしたのも彼だ。


樋口くんにとってもらった写真は数えきれない。


彼との思い出は全てあのカメラの中だ。


私と過ごした日々を思い返す時、私の写真を見て少しでも楽しかったとか嬉しかったとか思い出して、前に進む推進力にしてもらいたい。


去り際までカッコ良く、芸術的だった樋口くんとの別れを惜しみながら、私は春の訪れを感じさせる温かい風に吹かれた。

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