好き、なんだよ。
視界が一気に暗くなった。


イヤホンを外し、目の前の異物を払う。



「つまんねえやつだな。ちゃんとゲームしろよ」



声で誰の仕業か分かった。



「あっ...玲音くん...」


「だ~れだ?って聞いたのになんだよその反応は」


「ごめん。イヤホンしてたから聞いてなかった」


「は?んだよ、それ~。つうか何聴いてたんだよ」


「内緒」


「内緒って、今日内緒にされても...困んだよ」



そっか。


本当に最終日だもんね。


会おうとしなきゃ会えないか。


だけど、教えるつもりはない。


よく考えて探せば見つかると思うから。



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