好き、なんだよ。
相変わらず、あの女は強いな。


確か、名前は森下由紀。


夏音と同じ吹奏楽部で、大会や定期演奏会に行っても時々お目にかかっていたが、放送室まで占拠しているとは恐るべしだ。



「はぁ...」



ため息が出た。


オレの悪いクセが出ちゃってるなと思った。


教室に帰る前に自販機で飲み物でも買ってから帰るか。


喉が乾いているわけでもないのに、オレは外に出る口実を作り上げ、中庭に向かった。


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