好き、なんだよ。
笑いながら教室を出ていく2人。


私は彼らのいなくなったドア付近をじっと見つめていた。


そして聞こえてくる、誰かのひそひそ声。



「あの2人って付き合ってるんだよね?」


「めっちゃラブラブじゃん」


「これ以上ないってくらいお似合いだよねぇ」



って、ここまでは認めざるを得ない事実。



「天然女子ってある意味小悪魔」



...うん。


同感だよ。


心の中で激しく頷く。


凡人にはなし得ない技を彼女は持っているんだ。


どんなことしたって、


どんなこと言ったって、


敵わないって分かってる。


そう分かってて攻撃するのは...惨めだ。


負け惜しみだ。


そうしてしまった私は、


最低なやつなんだ。


< 89 / 509 >

この作品をシェア

pagetop