好き、なんだよ。
意外にも先輩たちは誰も来ておらず、私と樋口くんの2人だった。


新入部員もいないらしく、同じ2年の茂木さんもあまり来ていないらしい。



「樋口くん偉いよね。毎日来てるなんて。本当に何もしなくてごめんね。今度からはちゃんと活動するから許して」


「謝らなくていいよ。どうせそんな大した活動してないし」



樋口くんは決して私のことを否定しないし、責めないし、誰かさんみたいに怒るわけじゃない。


なんか色々と話せそうな気がして、どうせ誰もいないんだしと思ってバイトの意地悪じじいの愚痴を話し出した。


作業する樋口くんの背中に語りかけていると、手を動かしながらもうんうんと頷いて聞いてくれた。


なんかそれだけでも嬉しかった。


ずっと聞いてほしい相手に無視され続けて来たから、かもしれない。


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