好き、なんだよ。
喋り、時にパソコンを眺めているうちに時間は過ぎた。


あっという間に6時を回り、そろそろ帰らなければならない時間になった。


立ち上がり、パイプイスを壁に立てかけ、リュックを背負った。



「朽木さん帰る?」


「あ、うん。明日早いし、帰るね。なんかべらべら喋っちゃってごめん。邪魔してない?いや、邪魔だったら私来るのやめ...」


「謝らなくていいって、さっき言ったじゃん」



パソコンの画面が消え、樋口くんが立ち上がる。



「えっ、樋口くんまだやるんじゃ...」


「USBにデータ入ってるから残りは家でやるよ。それより、朽木さんは自転車?徒歩?」


「私は自転車でも徒歩でもなくて電車なんだ」


「そっか。じゃあ、駅まで送ってくよ」



駅まで送ってくって...。


樋口くん、もしかして...。


いや、まさかそんなんじゃないよね。


そ、そういう気持ちがあるなら、2時間も密室に2人きりは心臓に悪すぎる。


私だったら心停止して逝ってしまう。



「朽木さん?」


「ああ、ごめんごめん。行こう」



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