君の声
第一章 想像以上



私の働くオフィスでは、朝からけたたましく何本もの電話が鳴り響いている。


1月、2月、3月は毎年本当に忙しい。


私は企業セミナーや講習会、研修会などを代行手配する仕事をしている。

この季節、春に向けてたくさんの企業が、いろいろな場所でセミナーや研修会を開催するため、おかげさまで大忙しだ。



といっても企業から直接依頼の電話が来るのは少なく、もっぱら仕事を取ってきてくれるのが全国各地にあるうちの支店で働く営業マンたちだ。


その支店の営業マンたちが、汗水流して走り回り取ってきてくれた仕事の実際の手配は、この私がいる本社で一手に引き受けている。


ということで、この時期は本当に忙しい。



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