君の声
第三章 告白
エレベーターの中で私は山田さんと二人きり。
山田さん、どうか、お願い!
そのまま、そのまま、私に背を向けたままでいて!
しかし、そんな願いもむなしく、まるでスローモーションのようにくるりと振り返った山田さん。
私はすぐに下を向いた。
山田さんのよく磨かれた綺麗な靴が、私の方に向いているのが見える。
『今日は本当にすみませんでした。今日に限ってこんなことになって…………。』
「いいえ、本当にもう大丈夫ですよ。」
私は下を向いたまま、苦しいほどの胸を押さえつけながら何とか返事をした。
何やってるの私、私が謝る番なのに…………!