君の声
次の日の朝、オフィスに入ると何やら騒がしい。
席に着くと同時に、林さんが興奮ぎみに駆け寄ってきた。
『真嶋先輩っ!大変です!』
「な、なに、どうしたの。」
『今日、支店から選ばれた営業の人たちの出席する会議がこの本社であるんですよ!』
「で?」
『あっ、もぉ~真嶋先輩鈍いなぁ~。なんと、習志野支店からは山田さんが来るんです!だから朝からみんな興奮してるんですよ~』
「うそ……」
『本当です!会議は午後からって言ってますからたぶんお昼頃には各支店からみんな、集まってくるんじゃないですか~』
「そ、そうなんだ。」
『あ~とうとう山田さんに会えるのね~!知っていればもっと、オシャレしてきたのになぁ~』
林さんはまるで夢見る少女のように、うっとりと目を細め幸せそうに笑っている。