With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
そして、私達3人は、並んでこの日の練習を見守った。


「明日からは、僕達もあの中に入るんだな。」


「そうだね。」


松本くんの言葉に、私は頷く。


「でもミッチャン、まさかマネ-ジャ-不在とは思わなかったよね。本当に大丈夫?」


久保くんが心配そうに聞いて来るけど


「うん、全然不安がないわけじゃないけど、でもやっと夢が叶うんだもん。ワクワク感の方が強いよ、今は。」


と答える私。


「夢?」


その言葉に、松本くんが私を見る。


「うん。私、昔から夢だったんだ。高校生になったら、この学校で、野球部のマネ-ジャ-になって、甲子園を目指すんだって。」


「そうなんだ。」


「小さい頃、私はお父さんに連れられて、ここに練習を見に来たことがあるの。」


「へぇ。」


と、松本くんが、興味深そうに相槌を打ってくれるから


「今でもそうなんだけど、ウチのお父さんは高校野球が大好きで、その時、近くの高校に凄い選手がいるからって、散歩がてらに私を連れて、わざわざ見に来た。私は野球のことなんて全然わかんなかったけど、でもその選手っていうのが、とにかくカッコよくて、いっぺんに憧れちゃって。」


なんて夢中で話し出してしまっていた。
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