With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
あっという間にツーストライクまで追い込まれてしまったキャプテンだったけど、それでも簡単には引き下がらない。際どいボールをファールにして粘って、小林くんに球数を投げさせる。そしてついに8球目を捉えた打球は左中間を破った。
「回れ、回れ!」
ファ-ストランナ-の白鳥くんにベンチから声が飛ぶ。2塁、3塁と回って、一気にホームインを狙おうとするけど、外野から返球が戻って来て、三塁コーチャ-はストップを掛ける。キャプテンは悠々2塁へ、ノーアウト2,3塁、チャンスが広がった。ここで4連続打席ホームランこそ止まったけど、絶好調の松本くんの打席。
「ワンヒット2点、ホームランなら一気に1点差だぞ。」
「松本くん・・・。」
(頼むぞ、松本。)
ベンチから、サードベース上から、私たちの思いが松本くんに向けられる。それを受け止めたかのように、1つ頷いて左打席に入った松本くんだったけど
(ヒットでつなげれば最高だけど、最悪でもサードランナ-の白鳥をホームに還すことだ。この炎天下で、ピッチャ-をいつまでも塁上に置いておくのはまずい。)
と冷静に考えていた。一方
(絶対にバットに当てさせねぇ。)
と力を入れる小林雅則の対決は、彼の力のある内角ストレ-トを松本くんが懸命にバットに当て、ボテボテのセカンドゴロ、1塁はアウトになったけど、スタ-トよく白鳥くんがホームを陥れてこれで2-5。
「徹、ナイスラン。さっきの小林の盗塁といい、ピッチャーの走塁とはとても思えねぇな。」
ベンチに戻って来た白鳥くんに大宮くんが声を掛けると
「サンキュ-。」
俊足ランナ-である大宮くんに褒められて、白鳥くんは嬉しそう。
ワンアウト3塁、チャンスは続いている。6番の河井さんは監督やキャプテンが「ボールをバットに当てるのはウチでは1番上手い」と評価する好打者。期待は高まるけど、小林雅則の球威に押されてショ-トフライ。サ-ドランナ-のキャプテンは動けない。
「ツーアウトか・・・。」
「とりあえずあと1点、キャプテンはホームに還しておきたいよね。」
「ああ。」
回も押し詰まり、2点差と3点差では全然違う。祈るように見つめる私たちの前で、今日2回目の打席に入った村井さんが、初球を狙いすましたように三遊間を破る。ここまで偉大なキャプテンの控えで、練習試合でもほとんど出番がなかった村井さんだけど、見事なバッティングだった。
「回れ、回れ!」
ファ-ストランナ-の白鳥くんにベンチから声が飛ぶ。2塁、3塁と回って、一気にホームインを狙おうとするけど、外野から返球が戻って来て、三塁コーチャ-はストップを掛ける。キャプテンは悠々2塁へ、ノーアウト2,3塁、チャンスが広がった。ここで4連続打席ホームランこそ止まったけど、絶好調の松本くんの打席。
「ワンヒット2点、ホームランなら一気に1点差だぞ。」
「松本くん・・・。」
(頼むぞ、松本。)
ベンチから、サードベース上から、私たちの思いが松本くんに向けられる。それを受け止めたかのように、1つ頷いて左打席に入った松本くんだったけど
(ヒットでつなげれば最高だけど、最悪でもサードランナ-の白鳥をホームに還すことだ。この炎天下で、ピッチャ-をいつまでも塁上に置いておくのはまずい。)
と冷静に考えていた。一方
(絶対にバットに当てさせねぇ。)
と力を入れる小林雅則の対決は、彼の力のある内角ストレ-トを松本くんが懸命にバットに当て、ボテボテのセカンドゴロ、1塁はアウトになったけど、スタ-トよく白鳥くんがホームを陥れてこれで2-5。
「徹、ナイスラン。さっきの小林の盗塁といい、ピッチャーの走塁とはとても思えねぇな。」
ベンチに戻って来た白鳥くんに大宮くんが声を掛けると
「サンキュ-。」
俊足ランナ-である大宮くんに褒められて、白鳥くんは嬉しそう。
ワンアウト3塁、チャンスは続いている。6番の河井さんは監督やキャプテンが「ボールをバットに当てるのはウチでは1番上手い」と評価する好打者。期待は高まるけど、小林雅則の球威に押されてショ-トフライ。サ-ドランナ-のキャプテンは動けない。
「ツーアウトか・・・。」
「とりあえずあと1点、キャプテンはホームに還しておきたいよね。」
「ああ。」
回も押し詰まり、2点差と3点差では全然違う。祈るように見つめる私たちの前で、今日2回目の打席に入った村井さんが、初球を狙いすましたように三遊間を破る。ここまで偉大なキャプテンの控えで、練習試合でもほとんど出番がなかった村井さんだけど、見事なバッティングだった。