With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
⑱
明協高校がベスト8進出を決めた翌日は1学期の終業式に当たっていた、私はいつものように久保くんと登校し、校門を潜って、入口から下駄箱を経由して、私たちのクラス1-Cの教室に向かっていたが、様子がこれまでと違うことに気付かされる。
「なにがあったの?」
私は思わず、横の久保くんに問い掛ける。私たちの視界に入ったのは、1-Cの教室の外にたむろする大勢の女子生徒の姿。同じような光景は、白鳥くんのいる1-Aの教室では見るけど・・・。
「そりゃ、そうなるよなぁ。」
私の問いかけに、久保くんはさもありなんという表情で言う。
「たぶん教室の中は、もっと凄いことになってるんじゃないかな?」
「えっ?」
「さ、行きますか。」
戸惑いを隠せない私にそう言ってニコリと笑うと、久保くんは
「ちょっとごめんね、通してもらうよ。」
と言いながら、女子の波をかき分けて教室に。その後ろから従うように進んだ私の目に飛び込んで来たのは・・・
「ほらね。」
「えっ、なに・・・?」
そこには、何人もの女子に取り囲まれて、戸惑いの表情を隠せないで立ち尽くす松本くんの姿が。
「みどり~、おはよう!」
その様子を固まりながら見つめる私に、美怜が近寄って来る。
「おはよう美怜。これは・・・。」
「凄いね、松本くん!彼があんな凄い選手だなんて、気が付かなかったなぁ。」
戸惑いながら挨拶を返した私に、美怜が興奮気味に話して来るから、私は唖然とする。
「よく見れば、かっこいいし、イケメンだし、お兄さんも凄い選手なんでしょ?やっぱり血は争えないよね!」
「美怜・・・。」
「私、断然ファンになっちゃった。みどり、私、彼とお話ししたい。改めて紹介してよ。」
「紹介って・・・クラスメイトなんだから、普通に話し掛ければじゃん。」
「この状況を見て、よくそんなこと言えるね。ライバル多数、こういう時はコネクションを利用しなくちゃ。だからよろしくね。」
屈託のない表情で言うと、美怜は離れて行く。結局この狂騒は
「おい、SHR始めるぞ。全員早く席に着け。」
という担任の声が聞こえるまで、収まることはなかった。
SHRが始まると、私はフッと松本くんの方を見た。すると彼も困惑の表情を浮かべて、何か訴えるようにこちらを見ていたけど、私はフイッと彼の視線を外すと、前の担任に視線を戻した。
「なにがあったの?」
私は思わず、横の久保くんに問い掛ける。私たちの視界に入ったのは、1-Cの教室の外にたむろする大勢の女子生徒の姿。同じような光景は、白鳥くんのいる1-Aの教室では見るけど・・・。
「そりゃ、そうなるよなぁ。」
私の問いかけに、久保くんはさもありなんという表情で言う。
「たぶん教室の中は、もっと凄いことになってるんじゃないかな?」
「えっ?」
「さ、行きますか。」
戸惑いを隠せない私にそう言ってニコリと笑うと、久保くんは
「ちょっとごめんね、通してもらうよ。」
と言いながら、女子の波をかき分けて教室に。その後ろから従うように進んだ私の目に飛び込んで来たのは・・・
「ほらね。」
「えっ、なに・・・?」
そこには、何人もの女子に取り囲まれて、戸惑いの表情を隠せないで立ち尽くす松本くんの姿が。
「みどり~、おはよう!」
その様子を固まりながら見つめる私に、美怜が近寄って来る。
「おはよう美怜。これは・・・。」
「凄いね、松本くん!彼があんな凄い選手だなんて、気が付かなかったなぁ。」
戸惑いながら挨拶を返した私に、美怜が興奮気味に話して来るから、私は唖然とする。
「よく見れば、かっこいいし、イケメンだし、お兄さんも凄い選手なんでしょ?やっぱり血は争えないよね!」
「美怜・・・。」
「私、断然ファンになっちゃった。みどり、私、彼とお話ししたい。改めて紹介してよ。」
「紹介って・・・クラスメイトなんだから、普通に話し掛ければじゃん。」
「この状況を見て、よくそんなこと言えるね。ライバル多数、こういう時はコネクションを利用しなくちゃ。だからよろしくね。」
屈託のない表情で言うと、美怜は離れて行く。結局この狂騒は
「おい、SHR始めるぞ。全員早く席に着け。」
という担任の声が聞こえるまで、収まることはなかった。
SHRが始まると、私はフッと松本くんの方を見た。すると彼も困惑の表情を浮かべて、何か訴えるようにこちらを見ていたけど、私はフイッと彼の視線を外すと、前の担任に視線を戻した。