With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
⑳
準決勝の為に、横浜スタジアムに私たちが到着すると、既に第一試合の御崎高校vs横浜東高校戦は、始まっていた。
「5-0で御崎が勝ってる。」
「強打を誇る横浜東が、ほとんど完璧に抑え込まれてるみたいだ。」
「決まりだな。」
わかっていたこととは言え、御崎高の決勝戦進出は、揺るぎないものとなりつつあった。
「松本は決勝で俺たちを待ってると言ってた。アイツが公言通り、それを果たしたなら、俺達もそれに応えないとな。」
キャプテンの言葉に、私たちは頷く。
「さぁ行くぞ。」
「はい。」
監督の言葉で、私たちが準備に入って、しばらくして、御崎高の勝利が決まった。
「準決勝で初めて9回まで戦ったか。横浜東は健闘したな。」
「完封負けで健闘って・・・。」
私が思わず呆れた声を出すと
「ま、要するにとんでもねぇ高校だってことだ。」
佐藤くんも苦笑いで答える。
「そのとんでもない相手にぶつかって行く為には、その前に相模に勝たなきゃならないってことだ。」
白鳥くんはそう言うと、相手のベンチに鋭い視線を送る。彼の視線の先には・・・長身のあの選手がいる。そしてその矢代剛投手もまた、白鳥くんの視線に気が付いたかのように、こちらを見た。
「白鳥くん・・・。」
さすがにこの間から、こんな様子が続いていて、私は気になって声を掛ける。
「矢代くんと・・・何かあるの?」
「一言で言えば、宿命のライバルってところかな。」
「えっ、そうなの?」
「三羽烏のもう1人、小林雅則とは面識はあったけど、試合で対戦したのはこの前が初めて。でもアイツ、矢代剛とはそれこそ小学校の時から、何回投げ合ったことか。」
「そうなのか。」
と口を挟んで来たのは松本くん。
「実は俺は最初にトーナメント表見た時、御崎より先に相模を探してたんだ。ぶつかるなら準決かって、その時から思ってたんだ。」
「でも今大会は調子を崩してるみたいだから、今日は投げて来るかな?」
「わからない。でも・・・アイツの本来の力はあんなもんじゃない。」
私の言葉に答えた白鳥くんの口調は、厳しかった。
「5-0で御崎が勝ってる。」
「強打を誇る横浜東が、ほとんど完璧に抑え込まれてるみたいだ。」
「決まりだな。」
わかっていたこととは言え、御崎高の決勝戦進出は、揺るぎないものとなりつつあった。
「松本は決勝で俺たちを待ってると言ってた。アイツが公言通り、それを果たしたなら、俺達もそれに応えないとな。」
キャプテンの言葉に、私たちは頷く。
「さぁ行くぞ。」
「はい。」
監督の言葉で、私たちが準備に入って、しばらくして、御崎高の勝利が決まった。
「準決勝で初めて9回まで戦ったか。横浜東は健闘したな。」
「完封負けで健闘って・・・。」
私が思わず呆れた声を出すと
「ま、要するにとんでもねぇ高校だってことだ。」
佐藤くんも苦笑いで答える。
「そのとんでもない相手にぶつかって行く為には、その前に相模に勝たなきゃならないってことだ。」
白鳥くんはそう言うと、相手のベンチに鋭い視線を送る。彼の視線の先には・・・長身のあの選手がいる。そしてその矢代剛投手もまた、白鳥くんの視線に気が付いたかのように、こちらを見た。
「白鳥くん・・・。」
さすがにこの間から、こんな様子が続いていて、私は気になって声を掛ける。
「矢代くんと・・・何かあるの?」
「一言で言えば、宿命のライバルってところかな。」
「えっ、そうなの?」
「三羽烏のもう1人、小林雅則とは面識はあったけど、試合で対戦したのはこの前が初めて。でもアイツ、矢代剛とはそれこそ小学校の時から、何回投げ合ったことか。」
「そうなのか。」
と口を挟んで来たのは松本くん。
「実は俺は最初にトーナメント表見た時、御崎より先に相模を探してたんだ。ぶつかるなら準決かって、その時から思ってたんだ。」
「でも今大会は調子を崩してるみたいだから、今日は投げて来るかな?」
「わからない。でも・・・アイツの本来の力はあんなもんじゃない。」
私の言葉に答えた白鳥くんの口調は、厳しかった。