With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
「本日の先発メンバ-を発表します。1番センタ-大宮、2番ライト東尾、3番レフト河井、4番ファースト西、5番サード松本、6番キャッチャ-村井、7番セカンド後藤、8番ショ-ト栗田、9番ピッチャ-白鳥。以上です。」
試合前の最後のミーティング、私がラインアップを読み上げる。各学年3名ずつとバランスの取れた布陣は、思えば予選初戦の時と打順もポジションも変わらないのは、大宮くんと東尾さんの2人だけ。アクシデントや苦難を乗り越え、大会が進むにつれ、私たちのチ-ムは変化し、進化してここまで来て、今日を迎えたことを改めて実感する。
「よし。俺からは昨日言った以上のことは何もない。各人、全力で悔いのないように戦ってくれ。以上だ。」
「わかりました、よし行くぞ!」
キャプテンが声を掛け、私たちはベンチに向かう。雲1つない空、容赦なく照り付ける太陽が私たちを迎える。そして両軍選手たちが勢いよくベンチを飛び出し、ホームベ-スを挟んで相対した。
「よろしくお願いします!」
西、松本両校キャプテンの掛け声と共に一礼した選手達。明協ナインはそのままグラウンドに散って行く。
マウンドに立った白鳥くんは大きく1つ息をすると、おもむろに投球練習に入る。サードの松本くんも緊張の面持ちで、セカンドの後藤さんにボールを送る。緊張の度が増して行く。
「プレイボ-ル!」
主審の声が響く。
(いよいよ始まった・・・。)
夏の高校野球選手権大会出場を、甲子園行きを掛けた最後の戦いが今、始まった。村井さんのサインに頷いた白鳥くんは大きく振りかぶると、力一杯のボールを投げ込んだ。
「ストライク!」
主審のコ-ルに明協側応援席から歓声が上がる。
(いいボールだ。)
サ-ドのポジションから、そのボールを見た松本くんは1つ頷く。注目された立ち上がりだったが、白鳥くんは緊張の色を見せることもなく、御崎高の誇る1、2、3番バッタ-を簡単に打ち取った。
「ナイスピッチング。」
「サンキュ-。」
引き上げて来た白鳥くんに声を掛けると笑顔で答えてくれる。一方
「予想通りに手ごわいピッチャ-だ、1年生だと舐めてかかるととんでもないことになる。みんな引き締めて行け。」
相手ベンチでは監督が選手たちに言葉を掛ける。
「投げ合いは望むところです。」
松本哲さんはそう言って、表情を引き締めるとマウンドに向かった。
試合前の最後のミーティング、私がラインアップを読み上げる。各学年3名ずつとバランスの取れた布陣は、思えば予選初戦の時と打順もポジションも変わらないのは、大宮くんと東尾さんの2人だけ。アクシデントや苦難を乗り越え、大会が進むにつれ、私たちのチ-ムは変化し、進化してここまで来て、今日を迎えたことを改めて実感する。
「よし。俺からは昨日言った以上のことは何もない。各人、全力で悔いのないように戦ってくれ。以上だ。」
「わかりました、よし行くぞ!」
キャプテンが声を掛け、私たちはベンチに向かう。雲1つない空、容赦なく照り付ける太陽が私たちを迎える。そして両軍選手たちが勢いよくベンチを飛び出し、ホームベ-スを挟んで相対した。
「よろしくお願いします!」
西、松本両校キャプテンの掛け声と共に一礼した選手達。明協ナインはそのままグラウンドに散って行く。
マウンドに立った白鳥くんは大きく1つ息をすると、おもむろに投球練習に入る。サードの松本くんも緊張の面持ちで、セカンドの後藤さんにボールを送る。緊張の度が増して行く。
「プレイボ-ル!」
主審の声が響く。
(いよいよ始まった・・・。)
夏の高校野球選手権大会出場を、甲子園行きを掛けた最後の戦いが今、始まった。村井さんのサインに頷いた白鳥くんは大きく振りかぶると、力一杯のボールを投げ込んだ。
「ストライク!」
主審のコ-ルに明協側応援席から歓声が上がる。
(いいボールだ。)
サ-ドのポジションから、そのボールを見た松本くんは1つ頷く。注目された立ち上がりだったが、白鳥くんは緊張の色を見せることもなく、御崎高の誇る1、2、3番バッタ-を簡単に打ち取った。
「ナイスピッチング。」
「サンキュ-。」
引き上げて来た白鳥くんに声を掛けると笑顔で答えてくれる。一方
「予想通りに手ごわいピッチャ-だ、1年生だと舐めてかかるととんでもないことになる。みんな引き締めて行け。」
相手ベンチでは監督が選手たちに言葉を掛ける。
「投げ合いは望むところです。」
松本哲さんはそう言って、表情を引き締めるとマウンドに向かった。