With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
ベンチに戻って来た白鳥くんは、監督のねぎらいを受けた後、私の所に来た。
「白鳥くん、ナイスピッチング。」
私が改めてねぎらうと
「ありがとう。君のお陰だ。」
真っすぐに私に見つめて、白鳥くんは言う。
(白鳥くん・・・。)
私が思わず、その瞳を吸い込まれるようを見つめてしまうと
「それにしても、村井。あの場面でよく高橋相手にインコ-ス攻め出来たな。」
後藤さんの声がして、私はハッとその方を向く。そんな私を見て、白鳥くんが思わず舌打ちしながら、後藤さんを睨んだことに、私は気付いてない。
「久保のお陰ですよ。」
「久保くんの?」
「ああ。高橋さんは確かにインコ-スは得意だけど、高めのボールは打ってもファールになる確率が高い。そう教えてくれたのを思い出してね。ま、そこを正確に投げられる白鳥のコントロ-ルがあっての配球だけどな。」
「そうだったんですか。」
村井さんの答えに、私が白鳥くんを振り向くと、彼はニヤッと笑うと右の親指を立てて見せる。
「なるほどね。じゃ、次は俺の番だ。」
「えっ?」
「みどりにいいとこ見せたいと思ってるのは徹や創だけじゃない。まぁ、見てろよ。」
「大宮くん・・・。」
呆気にとられる私を残して、大宮くんが打席に向かう。明協高、最後の攻撃が始まった。
打席に立った大宮くんを、マウンド上から松本投手は見降ろす。
(あと3人、1人1人全力で打ち取る。そして、必ず勝つ!)
松本投手は初球と投げ込む、自慢のストレ-トが高橋捕手のミットにピシリと納まる。
「ストライク!」
速い・・・打席の大宮くんが思わずベンチを振り返る。
「最終回を迎えて、まだあのスピ-ドが出るの・・・?」
そんな大宮くんの気持ちを代弁するように私は言う。
「まだまだ余力充分ってとこか、全くバケモノかよ・・・。」
佐藤くんも呆れた声を出す。とにかく2回以降、こちらはパーフェクトに抑えられているのだ。
「バケモノじゃない。松本哲は人間、それもお前たちと同じ高校生だ。」
それを窘めるかのように、監督が厳しい口調で言う。私たちがその言葉にハッとすると
「佐藤、次いくぞ。」
監督が続けて告げてくる。
「お、おぅ!」
突然のご指名に、やや焦りながら、しかし佐藤くんは勇躍立ち上がった。
「白鳥くん、ナイスピッチング。」
私が改めてねぎらうと
「ありがとう。君のお陰だ。」
真っすぐに私に見つめて、白鳥くんは言う。
(白鳥くん・・・。)
私が思わず、その瞳を吸い込まれるようを見つめてしまうと
「それにしても、村井。あの場面でよく高橋相手にインコ-ス攻め出来たな。」
後藤さんの声がして、私はハッとその方を向く。そんな私を見て、白鳥くんが思わず舌打ちしながら、後藤さんを睨んだことに、私は気付いてない。
「久保のお陰ですよ。」
「久保くんの?」
「ああ。高橋さんは確かにインコ-スは得意だけど、高めのボールは打ってもファールになる確率が高い。そう教えてくれたのを思い出してね。ま、そこを正確に投げられる白鳥のコントロ-ルがあっての配球だけどな。」
「そうだったんですか。」
村井さんの答えに、私が白鳥くんを振り向くと、彼はニヤッと笑うと右の親指を立てて見せる。
「なるほどね。じゃ、次は俺の番だ。」
「えっ?」
「みどりにいいとこ見せたいと思ってるのは徹や創だけじゃない。まぁ、見てろよ。」
「大宮くん・・・。」
呆気にとられる私を残して、大宮くんが打席に向かう。明協高、最後の攻撃が始まった。
打席に立った大宮くんを、マウンド上から松本投手は見降ろす。
(あと3人、1人1人全力で打ち取る。そして、必ず勝つ!)
松本投手は初球と投げ込む、自慢のストレ-トが高橋捕手のミットにピシリと納まる。
「ストライク!」
速い・・・打席の大宮くんが思わずベンチを振り返る。
「最終回を迎えて、まだあのスピ-ドが出るの・・・?」
そんな大宮くんの気持ちを代弁するように私は言う。
「まだまだ余力充分ってとこか、全くバケモノかよ・・・。」
佐藤くんも呆れた声を出す。とにかく2回以降、こちらはパーフェクトに抑えられているのだ。
「バケモノじゃない。松本哲は人間、それもお前たちと同じ高校生だ。」
それを窘めるかのように、監督が厳しい口調で言う。私たちがその言葉にハッとすると
「佐藤、次いくぞ。」
監督が続けて告げてくる。
「お、おぅ!」
突然のご指名に、やや焦りながら、しかし佐藤くんは勇躍立ち上がった。