With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
④
翌日、この日は恐怖の学力診断テスト。はっきり言って、高校受験終了後、勉強なんて、あっちのけそっちのけだった私は、首を洗って待つ心境で臨んだんだけど、意外と手応えがあった。
「だいたいさ、受験終わってから、わざわざ勉強する奴なんかいないだろ?」
「でも、入学説明会の時、ちゃんと話があったじゃないか。」
「そんなの右から左だろ。」
昨日ですっかり仲良しになった松本くんと久保くんが、こんなことを話しているのを、横で聞いていて、思わず笑ってしまった。
「じゃ、創はちゃんと勉強したのか?」
「一応、簡単な復習くらいはね。」
と言う久保くんの返事に唖然とする松本くん。久保くんは中学時代から、文武両道の秀才なんだもん。でも、この試験に、ちゃんと備えてたっていうのはさすがに驚いた。
「これから長期休み明けは、毎回あるみたいだよ。」
と私。
「本当?定期試験だって、手を焼いてきたのに、更に試験が増えるなんて、たまんないな。」
松本くんの言葉は、実感がこもっていた。
でも終わってしまえば、こちらのもの。いよいよ待望の部活デビュ-が待っている。
「お待たせ!」
更衣室でジャ-ジに着替え、待ってくれていた男子2人に声を掛ける。その声に、何やら話していた2人がパッと私を見る。すると
「いいねぇ。」
と松本くん。
「何が?」
と尋ねると
「別に。さ、行こうぜ。」
とすました顔で言うと歩き出す。
「ねぇ、何?」
と追い掛けながら聞くと
「ミッチャンのジャ-ジ姿が可愛いってことだよ。」
と久保くんの声。
「えっ?」
ビックリして固まる私に
「僕も賛成だけどね。」
そう言ってニコリと微笑むと、久保くんもスタスタ歩き出す。動揺していた私は、フッと我に返ると、慌てて2人を追いかけて、追いつくと
「ねぇ。」
という私の声に、振り返った2人に
「2人こそ、ユニフォ-ム似合ってるじゃん。カッコいいよ。」
「えっ?」
と言うと、今度は2人が固まってしまう。
「お先に~。」
そんな2人の横を、私はいたずらっぽい笑いを浮かべて、すり抜けていく。からかわれたお返しをして、会心の笑みの私は
(カッコいい、だって・・・。)
と茫然としている2人の様子には全然気付いていなかった。
「だいたいさ、受験終わってから、わざわざ勉強する奴なんかいないだろ?」
「でも、入学説明会の時、ちゃんと話があったじゃないか。」
「そんなの右から左だろ。」
昨日ですっかり仲良しになった松本くんと久保くんが、こんなことを話しているのを、横で聞いていて、思わず笑ってしまった。
「じゃ、創はちゃんと勉強したのか?」
「一応、簡単な復習くらいはね。」
と言う久保くんの返事に唖然とする松本くん。久保くんは中学時代から、文武両道の秀才なんだもん。でも、この試験に、ちゃんと備えてたっていうのはさすがに驚いた。
「これから長期休み明けは、毎回あるみたいだよ。」
と私。
「本当?定期試験だって、手を焼いてきたのに、更に試験が増えるなんて、たまんないな。」
松本くんの言葉は、実感がこもっていた。
でも終わってしまえば、こちらのもの。いよいよ待望の部活デビュ-が待っている。
「お待たせ!」
更衣室でジャ-ジに着替え、待ってくれていた男子2人に声を掛ける。その声に、何やら話していた2人がパッと私を見る。すると
「いいねぇ。」
と松本くん。
「何が?」
と尋ねると
「別に。さ、行こうぜ。」
とすました顔で言うと歩き出す。
「ねぇ、何?」
と追い掛けながら聞くと
「ミッチャンのジャ-ジ姿が可愛いってことだよ。」
と久保くんの声。
「えっ?」
ビックリして固まる私に
「僕も賛成だけどね。」
そう言ってニコリと微笑むと、久保くんもスタスタ歩き出す。動揺していた私は、フッと我に返ると、慌てて2人を追いかけて、追いつくと
「ねぇ。」
という私の声に、振り返った2人に
「2人こそ、ユニフォ-ム似合ってるじゃん。カッコいいよ。」
「えっ?」
と言うと、今度は2人が固まってしまう。
「お先に~。」
そんな2人の横を、私はいたずらっぽい笑いを浮かべて、すり抜けていく。からかわれたお返しをして、会心の笑みの私は
(カッコいい、だって・・・。)
と茫然としている2人の様子には全然気付いていなかった。