With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
「でもさ。」
「えっ?」
「『御崎高から千羽鶴を分捕って来い』なんて山下さんに発破掛けられて、実際にそれを成し遂げて、すげぇ嬉しくて、はしゃいじゃったけど。改めて冷静になって考えてみると、なんかずっしりと重い責任を背負わされてしまった、そんな気がしちゃうよな・・・。」
「松本くん・・・。」
「この大会で僕は、自分でも信じられないくらいホームランが打てた。それがチ-ムを勝利に導いたことは間違いないんだけど、その一方で僕のエラ-が何度、チ-ムを窮地に陥れたか。白鳥や星さん、それに先輩たちがその度にカバ-してくれたから、そして君がいつも変わらず、僕を励まし、応援してくれたから、なんとかここまでやって来られた。」
「そんなことない、よ・・・。」
「いや、本当にその通りなんだよ。君が居てくれなかったら、僕は野球部から逃げ出していたかもしれない。」
「そんなこと、絶対にない。松本くんは強い人だもん。」
「強くなんかない。君に学校の中庭で泣き言聞いてもらったの忘れてないし、さっきはグラウンドで泣いてるとこ見られちゃったからな。ダサいよな・・・。」
「だからそんなこと・・・ないよ。」
そう言って私が微笑むと、今度は松本くんの方がハッと視線を逸らす。そして、沈黙が訪れる。なにか話さなきゃ・・・私が焦りながら、話題を探していると
「とにかくさ。」
と松本くんが話し出す。
「こうして神奈川の代表になって、甲子園で戦うことになった以上、絶対に無様なプレ-は出来ない。だから・・・練習する。」
「松本くん・・・?」
「もう1度守備を。甲子園までの約2週間、徹底的に。だから・・・見ててくれよな。」
力強く言い切った彼の顔は、とても凛々しく、私の目に映った。
「松本くん・・・頼もしくなったね。」
思わずそんなことを口走ってしまった私は
「ご、ごめんなさい。なんか偉そうなこと言っちゃって・・・。」
慌てて謝る。
「いや。木本さんに頼もしくなったなんて言ってもらえるなら、光栄だよ。」
なんて言って、彼はまた優しく微笑むから、その瞳に吸い込まれそうになって、私の胸はまたまたトクンと跳ねる。そして次の瞬間
「あの・・・。」
「うん?」
「その練習、手伝わせてもらえないかな?」
私は夢中で言っていた。
「えっ?」
「『御崎高から千羽鶴を分捕って来い』なんて山下さんに発破掛けられて、実際にそれを成し遂げて、すげぇ嬉しくて、はしゃいじゃったけど。改めて冷静になって考えてみると、なんかずっしりと重い責任を背負わされてしまった、そんな気がしちゃうよな・・・。」
「松本くん・・・。」
「この大会で僕は、自分でも信じられないくらいホームランが打てた。それがチ-ムを勝利に導いたことは間違いないんだけど、その一方で僕のエラ-が何度、チ-ムを窮地に陥れたか。白鳥や星さん、それに先輩たちがその度にカバ-してくれたから、そして君がいつも変わらず、僕を励まし、応援してくれたから、なんとかここまでやって来られた。」
「そんなことない、よ・・・。」
「いや、本当にその通りなんだよ。君が居てくれなかったら、僕は野球部から逃げ出していたかもしれない。」
「そんなこと、絶対にない。松本くんは強い人だもん。」
「強くなんかない。君に学校の中庭で泣き言聞いてもらったの忘れてないし、さっきはグラウンドで泣いてるとこ見られちゃったからな。ダサいよな・・・。」
「だからそんなこと・・・ないよ。」
そう言って私が微笑むと、今度は松本くんの方がハッと視線を逸らす。そして、沈黙が訪れる。なにか話さなきゃ・・・私が焦りながら、話題を探していると
「とにかくさ。」
と松本くんが話し出す。
「こうして神奈川の代表になって、甲子園で戦うことになった以上、絶対に無様なプレ-は出来ない。だから・・・練習する。」
「松本くん・・・?」
「もう1度守備を。甲子園までの約2週間、徹底的に。だから・・・見ててくれよな。」
力強く言い切った彼の顔は、とても凛々しく、私の目に映った。
「松本くん・・・頼もしくなったね。」
思わずそんなことを口走ってしまった私は
「ご、ごめんなさい。なんか偉そうなこと言っちゃって・・・。」
慌てて謝る。
「いや。木本さんに頼もしくなったなんて言ってもらえるなら、光栄だよ。」
なんて言って、彼はまた優しく微笑むから、その瞳に吸い込まれそうになって、私の胸はまたまたトクンと跳ねる。そして次の瞬間
「あの・・・。」
「うん?」
「その練習、手伝わせてもらえないかな?」
私は夢中で言っていた。