With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
②
私と松本哲が出会ったのは、中学生の時だった。2、3年生の時にクラスメイトだったんだけど、当時既に、哲は注目を集めているピッチャ-で、それなりに女子から騒がれてた。
私は野球に全く興味がなく、はっきり言って、哲にも興味がなかった。そんな私が変わって行ったのは、哲といつも行動を共にしている相棒のキャッチャ-の子の存在。名前は西達暁くん、快活な哲の横で、物静かで理知的な雰囲気を漂わせている西くんに、徐々に私は惹かれていたのだ。
中学生になって、異性を意識して、男女の壁を感じるようになる時期。哲を好きな女子たちも彼を遠巻きにするのが関の山だったし、哲の方もそんな女子の視線に気付きながらも知らん顔をしていたけど、たまたま彼と席が隣同士になったのをきっかけに、私は哲と話をするようになった。哲ファンの女子からは羨ましがられたり、嫉妬の視線を向けられたりしたが、私自身は性別を超えて、彼とウマが合うというか、話しやすさを感じていたし、哲の方もそう思ってくれてたようだった。
そして哲と仲良くすると、自然と西くんとの距離も近付くということであり、実はその下心は十分にあった。でもそちらの方は、私が彼を意識しているから、なかなか思ったようにはいかなかったけど・・・。
やがて私たちは3年に進級して、進路を決めなければならない時期になり、哲は甲子園に何度も出場経験のある強豪校御崎高校へのスポ-ツ推薦が決まった。すると彼は
「なぁ、五十嵐も御崎に来いよ。」
と声を掛けて来た。
「なんで?」
「マネ-ジャ-やってくれよ。お前はバスケット部だったから体力あるし、マネ-ジャ-向いてる気がする。」
と言われても、私は当然一般受験だし、それに野球にもマネ-ジャ-にも興味はなかった。でも哲と一緒に西くんも御崎に行くことになったと聞いて、それなら・・・という気になった。
「松本には何校も推薦の話があったんだけど、『キャッチャ-の西も一緒なら』って条件を出したみたいで、それを受けてくれたのが御崎だったんだ。なんか申し訳なかったんだけど、ありがたかった。」
西くんは、はにかみながら、私に言った。誰にも言わなかったけど、それが私が御崎高を目指す決め手になった。
私は野球に全く興味がなく、はっきり言って、哲にも興味がなかった。そんな私が変わって行ったのは、哲といつも行動を共にしている相棒のキャッチャ-の子の存在。名前は西達暁くん、快活な哲の横で、物静かで理知的な雰囲気を漂わせている西くんに、徐々に私は惹かれていたのだ。
中学生になって、異性を意識して、男女の壁を感じるようになる時期。哲を好きな女子たちも彼を遠巻きにするのが関の山だったし、哲の方もそんな女子の視線に気付きながらも知らん顔をしていたけど、たまたま彼と席が隣同士になったのをきっかけに、私は哲と話をするようになった。哲ファンの女子からは羨ましがられたり、嫉妬の視線を向けられたりしたが、私自身は性別を超えて、彼とウマが合うというか、話しやすさを感じていたし、哲の方もそう思ってくれてたようだった。
そして哲と仲良くすると、自然と西くんとの距離も近付くということであり、実はその下心は十分にあった。でもそちらの方は、私が彼を意識しているから、なかなか思ったようにはいかなかったけど・・・。
やがて私たちは3年に進級して、進路を決めなければならない時期になり、哲は甲子園に何度も出場経験のある強豪校御崎高校へのスポ-ツ推薦が決まった。すると彼は
「なぁ、五十嵐も御崎に来いよ。」
と声を掛けて来た。
「なんで?」
「マネ-ジャ-やってくれよ。お前はバスケット部だったから体力あるし、マネ-ジャ-向いてる気がする。」
と言われても、私は当然一般受験だし、それに野球にもマネ-ジャ-にも興味はなかった。でも哲と一緒に西くんも御崎に行くことになったと聞いて、それなら・・・という気になった。
「松本には何校も推薦の話があったんだけど、『キャッチャ-の西も一緒なら』って条件を出したみたいで、それを受けてくれたのが御崎だったんだ。なんか申し訳なかったんだけど、ありがたかった。」
西くんは、はにかみながら、私に言った。誰にも言わなかったけど、それが私が御崎高を目指す決め手になった。