With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
「こんなバカげたイジメみたいなこと、許されるわけないじゃん。とにかく、私でよければ、これからは何でも相談して。」
「でも、それじゃ先輩にご迷惑が・・・。」
「大丈夫、これでも一応最上級生ですから。言うほど、大して力になれないかもしれないけど、それなりの人脈も頼れる仲間もいるつもりだし。」
私はそう言って、笑顔を浮かべる。すると、みるみるうちに目に涙を浮かべた古城さんが
「ありがとう、ございます。」
と言うと、私に頭を下げる。
「1人じゃないからね。それを絶対に忘れないで。」
「はい・・・。」
励ますように言った私の言葉に、古城さんは泣きながら頷いてくれた。
それから私は、古城さんを伴って、彼女の担任教師や野球部顧問の先生にも相談。実はこの手を嫌がらせをしてきそうな面々には心当たりがあった。哲の熱烈なフリ-クたちから、一時は私自身が目の敵にされた時期もあったからだ。彼女たちには
「なにを考えているのか知らないけど、俺のことで彼女になにやかにや言うなんて、絶対に許せねぇからな!」
哲が激しい怒りを露にして、釘を刺し、やがて事態は沈静化して行った。
「本当にありがとうございました。恵美さんには、なんてお礼を言えばいいか・・・。」
ようやく笑顔を取り戻した純ちゃんが、お礼を言ってくれるから、私は静かに首を振る。一緒にいる時間が増えて、分かったことだけど、純ちゃんは引っ込み思案だけど、優しい心の持ち主で、謝りに来た面々を笑顔で許していた。この子に一目ぼれした哲の女子鑑定眼もまんざらではないな、なんて思っていた。
「純ちゃん。」
「はい。」
「これは余計なお節介なのは承知なんだけど・・・。」
一瞬躊躇ったあと、私は言った。
「哲のこと、もう1回、考えてみてくれないかな。」
その言葉にハッと私の顔を見た純ちゃんは、すぐに静かに首を横に振った。
「ごめんなさい。松本先輩は素敵な人だと思います。私も先輩に憧れて、野球部の練習を見に行ってたのは事実です。でも松本先輩の彼女になるって、たぶん今回みたいなことに負けないようにならなきゃいけないんだと思います。でも私には・・・、それはとても無理そうです。」
「純ちゃん・・・。」
「それに・・・。」
「えっ?」
「松本先輩が本当に好きなのは、たぶん恵美さんだと思います。」
その純ちゃんの言葉に、私は思わず息を呑んだ。
「でも、それじゃ先輩にご迷惑が・・・。」
「大丈夫、これでも一応最上級生ですから。言うほど、大して力になれないかもしれないけど、それなりの人脈も頼れる仲間もいるつもりだし。」
私はそう言って、笑顔を浮かべる。すると、みるみるうちに目に涙を浮かべた古城さんが
「ありがとう、ございます。」
と言うと、私に頭を下げる。
「1人じゃないからね。それを絶対に忘れないで。」
「はい・・・。」
励ますように言った私の言葉に、古城さんは泣きながら頷いてくれた。
それから私は、古城さんを伴って、彼女の担任教師や野球部顧問の先生にも相談。実はこの手を嫌がらせをしてきそうな面々には心当たりがあった。哲の熱烈なフリ-クたちから、一時は私自身が目の敵にされた時期もあったからだ。彼女たちには
「なにを考えているのか知らないけど、俺のことで彼女になにやかにや言うなんて、絶対に許せねぇからな!」
哲が激しい怒りを露にして、釘を刺し、やがて事態は沈静化して行った。
「本当にありがとうございました。恵美さんには、なんてお礼を言えばいいか・・・。」
ようやく笑顔を取り戻した純ちゃんが、お礼を言ってくれるから、私は静かに首を振る。一緒にいる時間が増えて、分かったことだけど、純ちゃんは引っ込み思案だけど、優しい心の持ち主で、謝りに来た面々を笑顔で許していた。この子に一目ぼれした哲の女子鑑定眼もまんざらではないな、なんて思っていた。
「純ちゃん。」
「はい。」
「これは余計なお節介なのは承知なんだけど・・・。」
一瞬躊躇ったあと、私は言った。
「哲のこと、もう1回、考えてみてくれないかな。」
その言葉にハッと私の顔を見た純ちゃんは、すぐに静かに首を横に振った。
「ごめんなさい。松本先輩は素敵な人だと思います。私も先輩に憧れて、野球部の練習を見に行ってたのは事実です。でも松本先輩の彼女になるって、たぶん今回みたいなことに負けないようにならなきゃいけないんだと思います。でも私には・・・、それはとても無理そうです。」
「純ちゃん・・・。」
「それに・・・。」
「えっ?」
「松本先輩が本当に好きなのは、たぶん恵美さんだと思います。」
その純ちゃんの言葉に、私は思わず息を呑んだ。