With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
「実際、嫌々入学して、嫌々入部したのに、恵美は頑張ってくれた。」


「なんか自分でも不思議なくらい、マネ-ジャ-にはまっていった。」


「俺の目に狂いはなかったなんて、1人で悦に入ってたし、本当に感謝してた。愛菜のことがあった時なんて、あの時も言ったと思うけど、恵美が居てくれなかったら、俺はどうなってたか、わかんなかったからな。でも後ろめたさはまぁずっとあったからさ、なんとか高校でお前が別に好きな人でも出来てくれれば、なんて思ったりもしてたんだけど。でも実際にお前、何人かの先輩に告られてたのも知ってるけど、全然その気なかったもんな。」


「まぁ・・・ね。」


「今だから、正直に言う。愛菜に振られたあと、なんとなくお前と付き合う形になった時、俺的には結構マジだったんだよ。」


「えっ、そうなの?」


「お前とは確かに同性同士の友達みたいに、付き合って来たけど、改めてお前を見た時、『今まで気が付かなかったけど、全然ありじゃね』って正直思っちまったんだ。」


(そうだったんだ・・・。)


意外な告白に、私はびっくりする。


「でも、お前との関係を進めようとすると、フッと西の顔が浮かんで来て。お前の心にいるのは、やっぱりアイツなのに、今は仕方なく俺に寄り添ってくれてるだけだっていうのも、わかってたから・・・。だから、結局『俺たちが一緒にいるのは、やっぱり違うんじゃね?』って言うしかなかった。あのあと、俺が荒れた時、お前に『私には何も出来なかったくせに、なんで他の子にはそんな酷いこと出来るの?』って怒られたけど、その時俺は『恵美にそんなこと出来るかよ』って答えた。それが俺の本心だったんだよ。お前を傷付けることは、西を傷付けること。それだけは絶対に出来ねぇし、したくないって、思ってたから。」


「哲・・・。」


哲がそんなことを考えていたなんて、本当に今まで全然気が付かなかったよ・・・。
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