With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
そんなことを話していたから、時間が少し掛かってしまった。急いで着替えて、更衣室を出ると、久保くんが待ってくれていた。
「ごめんね、遅くなって。松本くんは?」
「うん、悪いけど先に帰るって。さ、行こう。」
「うん。」
「相変わらず、仲のよろしいことで。じゃ、私はお邪魔でしょうから、これで。また明日~。」
そんなことを言って、自転車置き場に向かう澄恵を見送ってから、私達は校門へ。すると
「木本さん。」
と私を呼ぶ声が。振り向いた私は思わず、身体を固くする。
「白鳥くん・・・。」
なんとも言えない気持ちで、自分を見ている私に近付いて来ると
「さっきは・・・ごめん。」
と白鳥くんはいきなり頭を下げて来た。驚いていると
「嫌な思いさせたよな、本当にごめんな。でも、あの時、君に普通に挨拶返したら、もっと嫌な思いをさせてしまうと思ったから。」
そんなことをちょっと照れくさそうに、そして本当に済まなそうに言って来る白鳥くんが意外で、私が言葉を返せないでいると
「女子にキャ-キャ-言われて、迷惑だなんてカッコつけるつもりはないけど、でも困ってるのも確かなんだ。どう対応していいのか、よくわかんないし。」
とこれまた意外な言葉が。
「モテる男の贅沢な悩みって奴?」
と突っ込む久保くんに
「からかうなよ。だいたい春休みから1人で先に練習参加させられて、先輩に囲まれて肩身の狭い思いして来て、やっと同級生が入部して来たと思ったら、なんとなく一線引かれちゃってる感じでさ。」
と少々拗ねた感じの白鳥くん。
「そんなつもりないよ、たまたま私達は同じクラスだから。それに今まで、白鳥くんと話す機会がなかったし。」
慌てて弁明のように言う私。
「そっか・・・じゃ、とにかくよろしくな。木本さん、久保。」
「うん、こちらこそ。」
ここで私達は、ようやく笑顔を交わし合って、3人で仲良く下校。自転車を押して、私達に付き合ってくれる白鳥くんに
「白鳥くんは自転車通学なんだ。」
「送迎車が迎えに来るのかと思った。」
なんて言うと
「さっきから勘弁してくれよ、久保。なんかものすごい誤解が横行してるんだが、確かに俺の親父は会社経営してるけど、別にウチはドラマにでも出てくるようなセレブじゃねぇし。第一、俺は御曹司なんて柄じゃないし、そんな過保護にもされてないぞ。俺、ハッキリ言って、親父と仲悪いし。」
「そうなの?」
そんな会話を交わしながら、やがて私達は右と左に分かれることに。
「じゃ、お疲れ。また明日な。」
「うん、白鳥くん、気を付けてね。」
「また明日。」
そう挨拶を交わすと、白鳥くんはサッと手を挙げて、自転車を走らせて行く。これからまだ30分以上掛かるみたいだから、結構大変。
「よかったね。白鳥くん、いい奴で。」
「うん、よかった・・・。」
白鳥くんの後ろ姿を見送りながら、私は心からそう思っていた。
「ごめんね、遅くなって。松本くんは?」
「うん、悪いけど先に帰るって。さ、行こう。」
「うん。」
「相変わらず、仲のよろしいことで。じゃ、私はお邪魔でしょうから、これで。また明日~。」
そんなことを言って、自転車置き場に向かう澄恵を見送ってから、私達は校門へ。すると
「木本さん。」
と私を呼ぶ声が。振り向いた私は思わず、身体を固くする。
「白鳥くん・・・。」
なんとも言えない気持ちで、自分を見ている私に近付いて来ると
「さっきは・・・ごめん。」
と白鳥くんはいきなり頭を下げて来た。驚いていると
「嫌な思いさせたよな、本当にごめんな。でも、あの時、君に普通に挨拶返したら、もっと嫌な思いをさせてしまうと思ったから。」
そんなことをちょっと照れくさそうに、そして本当に済まなそうに言って来る白鳥くんが意外で、私が言葉を返せないでいると
「女子にキャ-キャ-言われて、迷惑だなんてカッコつけるつもりはないけど、でも困ってるのも確かなんだ。どう対応していいのか、よくわかんないし。」
とこれまた意外な言葉が。
「モテる男の贅沢な悩みって奴?」
と突っ込む久保くんに
「からかうなよ。だいたい春休みから1人で先に練習参加させられて、先輩に囲まれて肩身の狭い思いして来て、やっと同級生が入部して来たと思ったら、なんとなく一線引かれちゃってる感じでさ。」
と少々拗ねた感じの白鳥くん。
「そんなつもりないよ、たまたま私達は同じクラスだから。それに今まで、白鳥くんと話す機会がなかったし。」
慌てて弁明のように言う私。
「そっか・・・じゃ、とにかくよろしくな。木本さん、久保。」
「うん、こちらこそ。」
ここで私達は、ようやく笑顔を交わし合って、3人で仲良く下校。自転車を押して、私達に付き合ってくれる白鳥くんに
「白鳥くんは自転車通学なんだ。」
「送迎車が迎えに来るのかと思った。」
なんて言うと
「さっきから勘弁してくれよ、久保。なんかものすごい誤解が横行してるんだが、確かに俺の親父は会社経営してるけど、別にウチはドラマにでも出てくるようなセレブじゃねぇし。第一、俺は御曹司なんて柄じゃないし、そんな過保護にもされてないぞ。俺、ハッキリ言って、親父と仲悪いし。」
「そうなの?」
そんな会話を交わしながら、やがて私達は右と左に分かれることに。
「じゃ、お疲れ。また明日な。」
「うん、白鳥くん、気を付けてね。」
「また明日。」
そう挨拶を交わすと、白鳥くんはサッと手を挙げて、自転車を走らせて行く。これからまだ30分以上掛かるみたいだから、結構大変。
「よかったね。白鳥くん、いい奴で。」
「うん、よかった・・・。」
白鳥くんの後ろ姿を見送りながら、私は心からそう思っていた。