With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
次の日から、通常授業がスタ-ト。私達の高校生活も徐々に通常運行に。
そんな中、先日の学力診断テストの結果が発表された。答案が各自に返却されるのはもちろんだけど、学年別上位50名のクラス、氏名、点数が掲示されるのだ。
高校になると、そんなことがあるんだぁと、ちょっと驚きながら、当然興味はあるから、私は掲示板を見に行った。
トップの男子はほほ満点で、そのあとも数点差で高得点が続いている。まだ誰が誰だか、まして他クラスの生徒なんて全然顔と名前が一致しないから、ただ、へぇ凄いなぁと思いながら眺めていると、5位に久保くんの名前が。ちなみに我がクラスのトップだ。
「やっぱり、ちゃんと備えてる奴は違うなぁ。」
と突然横から声が。
「松本くん。」
いつの間にか、松本くんが横に居た。
「私は驚かないよ。久保くんは中学の頃から秀才だったんだから。」
「そうだったな。でも備えて5番だった奴より、備えないで10番だった人の方が凄いってことにならないか?」
「えっ、誰のこと?」
その松本くんの言葉に、私が10番の名前に目をやると
「えっ、ウソ・・・。」
なんと私の名前が。確かにそれなりに手応えはあったけど、全然勉強なんかしてなかったから、まさか・・・。
「おみそれいたしました。」
そう言って、冗談半分とは言え、深々と頭を下げてくる松本くんに
「ちょっと止めてよ。まぐれだし。」
「まぐれで10番になれるんなら、大したもん。僕なんかまぐれで100番にもなれない。」
「そんなこと・・・。」
「でも少し気が楽になったかな?」
「えっ?」
「木本さんと久保、2人も勉強できる仲間がいるんだから。定期試験の時、よろしくな。僕は間違ってもこんな掲示板には縁がないんで、面倒見てよ。」
そう言って笑う松本くん。
「私は当てにならないけど。松本くんは、野球が忙しいもんね。」
「それは久保も同じだろ。それに・・・僕みたいな中途半端な選手じゃ、勉強できないの、野球のせいには出来ないからな。」
「松本くん・・・。」
そう言った松本くんの顔は、なんとも寂しそうというか、切なそうというか・・・とにかく、今まで快活で爽やかな表情しか見たことなかったから、私は驚いて、思わず彼の顔を見つめてしまっていた。
そんな中、先日の学力診断テストの結果が発表された。答案が各自に返却されるのはもちろんだけど、学年別上位50名のクラス、氏名、点数が掲示されるのだ。
高校になると、そんなことがあるんだぁと、ちょっと驚きながら、当然興味はあるから、私は掲示板を見に行った。
トップの男子はほほ満点で、そのあとも数点差で高得点が続いている。まだ誰が誰だか、まして他クラスの生徒なんて全然顔と名前が一致しないから、ただ、へぇ凄いなぁと思いながら眺めていると、5位に久保くんの名前が。ちなみに我がクラスのトップだ。
「やっぱり、ちゃんと備えてる奴は違うなぁ。」
と突然横から声が。
「松本くん。」
いつの間にか、松本くんが横に居た。
「私は驚かないよ。久保くんは中学の頃から秀才だったんだから。」
「そうだったな。でも備えて5番だった奴より、備えないで10番だった人の方が凄いってことにならないか?」
「えっ、誰のこと?」
その松本くんの言葉に、私が10番の名前に目をやると
「えっ、ウソ・・・。」
なんと私の名前が。確かにそれなりに手応えはあったけど、全然勉強なんかしてなかったから、まさか・・・。
「おみそれいたしました。」
そう言って、冗談半分とは言え、深々と頭を下げてくる松本くんに
「ちょっと止めてよ。まぐれだし。」
「まぐれで10番になれるんなら、大したもん。僕なんかまぐれで100番にもなれない。」
「そんなこと・・・。」
「でも少し気が楽になったかな?」
「えっ?」
「木本さんと久保、2人も勉強できる仲間がいるんだから。定期試験の時、よろしくな。僕は間違ってもこんな掲示板には縁がないんで、面倒見てよ。」
そう言って笑う松本くん。
「私は当てにならないけど。松本くんは、野球が忙しいもんね。」
「それは久保も同じだろ。それに・・・僕みたいな中途半端な選手じゃ、勉強できないの、野球のせいには出来ないからな。」
「松本くん・・・。」
そう言った松本くんの顔は、なんとも寂しそうというか、切なそうというか・・・とにかく、今まで快活で爽やかな表情しか見たことなかったから、私は驚いて、思わず彼の顔を見つめてしまっていた。