With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
まもなく、講堂に移動して、いよいよ入学式典。緊張しながら、担任の先生に先導されて、中に入った私は、保護者席に両親を見つけて、顔が思わずほころぶ。少し緊張がほぐれた。


席について、まもなく式典スタ-ト。新入生の名前がクラス毎に一人一人、各クラスの担任によって読み上げられて行く。


木本(きもと)みどり。」


「はい。」


緊張からか、あまり大きな声で返事が出来なかった私に続いて


「久保(はじめ)。」


「はい。」


やっぱりちょっと上ずった声で返事をした久保くんが、立ち上がった。


式は、後々まで私達を悩ませることになる校長先生の長い話に、うんざりさせられながら、なんとか終了。


教室に戻って、担任から自己紹介と諸注意、更には明日からのスケジュ-ルの説明を受けて、この日は下校になった。


並んで教室を出た私達は、そのままある場所を目指して歩き出した。そして、その場所が見えてくると、私達はまた早足になっていた。


私達の前に広がっているグラウンドには、まだ人影はあまりなかったけど、何人かの先輩たちが準備をしている。


「練習、午後からなのかな?」


「たぶんね。」


そんなことを話しながら、私達はその場所に着いた。
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