With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
もう1つは、GWが終わり、学校が再開した日。私がいつものように教室に入ると
「おはよう、木本さん。」
と珍しく女子の声で、挨拶された。振り返るとクラスメイトの大下美怜さんが、笑顔でこちらを見ている。
今まで、特に彼女と言葉を交わしたこともなく、戸惑いながら挨拶を返した私は、ふと先日の練習試合で、大下さんが放送部員の一員として、来てくれていたことを思い出して
「あっ、そうだ。大下さん、この間はどうもありがとう。」
と声を掛ける。
「ううん。こちらこそ、ちょっとだったけど、私もウグイス嬢っていうの?体験できて楽しかった。」
「そう、ならよかった。ウチはマネージャーが私ひとりだから、これからもああ言う時に、協力をお願いすると思うけど、よろしくね。」
「OK。」
快く返事をしてくれた大下さんは
「でもさ。」
「なに?」
「ずっと見てたけど、野球部のマネージャーって大変だね。あんなにいろいろなことをやらされるんだ。」
と言ってくれる。
「うん、まぁね。」
「辛くない?」
「大変だけど、辛くはないな。子供の頃から、ずっとやりたいと思ってたことだから。」
「そっか。」
そんな会話を交わしているうちに、授業開始のチャイムが鳴り、私達は席につく。
そして、そのあとも、大下さんはいろいろ話し掛けてくれるようになり、彼女との交流をきっかけに、他の女子とも、段々話せるようになり、やがて私はクラスの女子の輪の中に溶け込めるようになって行った。
「みどりのこと、男子とばっかり話してるから、なんか変わってるというか、嫌だなって思っちゃって、敬遠してたんだ。でも、あの日、マネージャーの仕事に一所懸命のあなたの姿を見て、凄いなぁ、頑張ってるんだなぁって思って。だから、学校始まったら、話ししてみようって思ったんだ。」
「ありがとう。平気な顔してたけど、本当は女子の友達出来なくて、結構凹んでたんだ。だから、美怜のお陰で助かった。」
「ううん、こちらこそみどりのこと、誤解しててごめんね。」
少し経って、お互い名前呼びになった私達は、そんなことを話して、笑顔を交わした。
こうして、私の入学以来の悩みは無事に解決したんだ。
「おはよう、木本さん。」
と珍しく女子の声で、挨拶された。振り返るとクラスメイトの大下美怜さんが、笑顔でこちらを見ている。
今まで、特に彼女と言葉を交わしたこともなく、戸惑いながら挨拶を返した私は、ふと先日の練習試合で、大下さんが放送部員の一員として、来てくれていたことを思い出して
「あっ、そうだ。大下さん、この間はどうもありがとう。」
と声を掛ける。
「ううん。こちらこそ、ちょっとだったけど、私もウグイス嬢っていうの?体験できて楽しかった。」
「そう、ならよかった。ウチはマネージャーが私ひとりだから、これからもああ言う時に、協力をお願いすると思うけど、よろしくね。」
「OK。」
快く返事をしてくれた大下さんは
「でもさ。」
「なに?」
「ずっと見てたけど、野球部のマネージャーって大変だね。あんなにいろいろなことをやらされるんだ。」
と言ってくれる。
「うん、まぁね。」
「辛くない?」
「大変だけど、辛くはないな。子供の頃から、ずっとやりたいと思ってたことだから。」
「そっか。」
そんな会話を交わしているうちに、授業開始のチャイムが鳴り、私達は席につく。
そして、そのあとも、大下さんはいろいろ話し掛けてくれるようになり、彼女との交流をきっかけに、他の女子とも、段々話せるようになり、やがて私はクラスの女子の輪の中に溶け込めるようになって行った。
「みどりのこと、男子とばっかり話してるから、なんか変わってるというか、嫌だなって思っちゃって、敬遠してたんだ。でも、あの日、マネージャーの仕事に一所懸命のあなたの姿を見て、凄いなぁ、頑張ってるんだなぁって思って。だから、学校始まったら、話ししてみようって思ったんだ。」
「ありがとう。平気な顔してたけど、本当は女子の友達出来なくて、結構凹んでたんだ。だから、美怜のお陰で助かった。」
「ううん、こちらこそみどりのこと、誤解しててごめんね。」
少し経って、お互い名前呼びになった私達は、そんなことを話して、笑顔を交わした。
こうして、私の入学以来の悩みは無事に解決したんだ。