With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
⑨
GWが過ぎ、少ししてやって来るのは中間考査。1週間前になると、部活も休止になり、私達学生の本分が何たるかを、否が応でも思い知らされる。
陽が明るいうちに、家に帰れるなんて、なかなかないから、ちょっと戸惑いながら、私は机に向かう。
「そう言えば、入学直後の学力診断テスト、みどり10位だったよね。」
「あれは、たまたまで・・・。」
「またまたご謙遜を。」
「本当だよ。部活が忙しくて、あんまり勉強もしてないし、正直不安いっぱいだよ。」
そんな会話を少し前に、美怜と交わした。中学時代は、それなりにちゃんと勉強して、ある程度自分の学力に自信があったのは確かだけど、高校に入ると、勉強の難易度も上がってるし、勉強時間が中学の時に比べて、減っているのは自覚している。
(時間が足りない以上、効率よく、集中して勉強しないと。)
苦手な夜更かしも、ある程度しないと間に合わない。
そんなこんなの「苦行」の日々がようやく過ぎ、1週間ぶりにグラウンドに集合した私たちの顔は、みな一様に晴れやかだった。
「終わっちまえば、こっちのもんだ。」
「そうそう。結果なんか、もうどうでもいい。」
「さぁ、今日からはまた練習だ。」
先輩たちがそんなことを話しているのが聞こえて来て、思わず笑ってしまった。
そしてこの日、練習スタート前に、石原監督は私達全員を前に、こう切り出した。
「中間考査も終わり、いよいよ夏の県大会予選まで、2ヶ月を切った。」
そう、全国高校野球選手権、夏の甲子園の出場権を掛けた予選が近づいて来たのだ。47都道府県の内、東京と北海道を除いた45府県は代表になれるのは、たった1校。
特に参加校数の多い神奈川は勝ち上がるまでに7戦ほどを戦わなければならない、全国有数の激戦区とされている。
「1年生が入部して、新チームになってから、そろそろひと月。これからの練習はより実戦的なものとなり、週末の対外練習試合は毎週実施して行く。」
そっか、毎週末練習試合か。大変になるけど、仕方ないよね。
「俺たちの目標はただ1つ。打倒御崎高校、そして、神奈川代表として、甲子園に行くことだ。その目標に向けて、全員が心を1つにして、頑張って行くぞ。」
「はい!」
監督の言葉に、私たちは力強く答えていた。
陽が明るいうちに、家に帰れるなんて、なかなかないから、ちょっと戸惑いながら、私は机に向かう。
「そう言えば、入学直後の学力診断テスト、みどり10位だったよね。」
「あれは、たまたまで・・・。」
「またまたご謙遜を。」
「本当だよ。部活が忙しくて、あんまり勉強もしてないし、正直不安いっぱいだよ。」
そんな会話を少し前に、美怜と交わした。中学時代は、それなりにちゃんと勉強して、ある程度自分の学力に自信があったのは確かだけど、高校に入ると、勉強の難易度も上がってるし、勉強時間が中学の時に比べて、減っているのは自覚している。
(時間が足りない以上、効率よく、集中して勉強しないと。)
苦手な夜更かしも、ある程度しないと間に合わない。
そんなこんなの「苦行」の日々がようやく過ぎ、1週間ぶりにグラウンドに集合した私たちの顔は、みな一様に晴れやかだった。
「終わっちまえば、こっちのもんだ。」
「そうそう。結果なんか、もうどうでもいい。」
「さぁ、今日からはまた練習だ。」
先輩たちがそんなことを話しているのが聞こえて来て、思わず笑ってしまった。
そしてこの日、練習スタート前に、石原監督は私達全員を前に、こう切り出した。
「中間考査も終わり、いよいよ夏の県大会予選まで、2ヶ月を切った。」
そう、全国高校野球選手権、夏の甲子園の出場権を掛けた予選が近づいて来たのだ。47都道府県の内、東京と北海道を除いた45府県は代表になれるのは、たった1校。
特に参加校数の多い神奈川は勝ち上がるまでに7戦ほどを戦わなければならない、全国有数の激戦区とされている。
「1年生が入部して、新チームになってから、そろそろひと月。これからの練習はより実戦的なものとなり、週末の対外練習試合は毎週実施して行く。」
そっか、毎週末練習試合か。大変になるけど、仕方ないよね。
「俺たちの目標はただ1つ。打倒御崎高校、そして、神奈川代表として、甲子園に行くことだ。その目標に向けて、全員が心を1つにして、頑張って行くぞ。」
「はい!」
監督の言葉に、私たちは力強く答えていた。