With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
「松本くん。」
休憩時間に入り、教室から出て行こうとしている松本くんに声を掛ける。
「どうしたの?なんか元気ないような気がする。」
そう言った私の顔を見て
「そう見える?ごめん、心配かけて。別に大したことない、ただテストの点が良くなくて、ちょっと落ち込んでただけ。」
松本くんは笑う。
「そんなに悪かったの?」
思わず聞いてしまうと
「64点。」
と素直に答えてくれる。
「えっ、そんなに悪くないじゃない?」
確か、クラス平均がそのくらいだったと先生が言ってた気が。
「そう、悪くはない。平均点、僕らしいよ。」
そう言って、力なく笑う松本くん。この時の会話は、ここで終わってしまったけど、昼休み、私は改めて彼に声を掛けた。
「よかったら、一緒にお昼食べない?」
「いいけど、創は?」
「今日は別の友達と食べるって。それより、松本くんに話というか、聞きたいことがあるんだ。」
「僕に?」
「うん、じゃ行こうか。」
驚く松本くんに、私は笑顔で頷いた。
ウチの高校は学食も購買も結構充実してるんだけど、お弁当派も少なくない。私も松本くんもお弁当なので、中庭のベンチに並んで腰を下ろした。
「わぁ、松本くんのお弁当、美味しそう。」
彼が開いたお弁当箱を見て、私がそう言うと
「ありがとう。ウチの母親、料理が得意なんで。」
と照れ臭そうに松本くんは答える。
「そう言う木本さんのも、可愛くて、美味そうじゃん。自分で作ったの?」
「もちろん!・・・って言いたいところだけど、私もお母さんに作ってもらってる。母曰く、私は絶望的に料理の才能がないらしくて、キッチンに入れてもらえないの。『あんたは料理が得意な旦那さん探さないと、将来はずっとコンビニ弁当暮らしだよ。』って言われてる。」
苦笑い混じりに告白すると
「そっか。木本さんにも苦手なものがあるんだな。」
なんて言われてしまう。
「そんなの当たり前だよ。」
そう返した私に
「美人で、聡明で、気配りが出来て、優しくて、そして学力優秀・・・才色兼備って木本さんみたいな人のことをいうんだと思ってたから。」
なんて真面目な顔で言われるから
「そ、そんなことないよ。」
慌てて頭を振った。
休憩時間に入り、教室から出て行こうとしている松本くんに声を掛ける。
「どうしたの?なんか元気ないような気がする。」
そう言った私の顔を見て
「そう見える?ごめん、心配かけて。別に大したことない、ただテストの点が良くなくて、ちょっと落ち込んでただけ。」
松本くんは笑う。
「そんなに悪かったの?」
思わず聞いてしまうと
「64点。」
と素直に答えてくれる。
「えっ、そんなに悪くないじゃない?」
確か、クラス平均がそのくらいだったと先生が言ってた気が。
「そう、悪くはない。平均点、僕らしいよ。」
そう言って、力なく笑う松本くん。この時の会話は、ここで終わってしまったけど、昼休み、私は改めて彼に声を掛けた。
「よかったら、一緒にお昼食べない?」
「いいけど、創は?」
「今日は別の友達と食べるって。それより、松本くんに話というか、聞きたいことがあるんだ。」
「僕に?」
「うん、じゃ行こうか。」
驚く松本くんに、私は笑顔で頷いた。
ウチの高校は学食も購買も結構充実してるんだけど、お弁当派も少なくない。私も松本くんもお弁当なので、中庭のベンチに並んで腰を下ろした。
「わぁ、松本くんのお弁当、美味しそう。」
彼が開いたお弁当箱を見て、私がそう言うと
「ありがとう。ウチの母親、料理が得意なんで。」
と照れ臭そうに松本くんは答える。
「そう言う木本さんのも、可愛くて、美味そうじゃん。自分で作ったの?」
「もちろん!・・・って言いたいところだけど、私もお母さんに作ってもらってる。母曰く、私は絶望的に料理の才能がないらしくて、キッチンに入れてもらえないの。『あんたは料理が得意な旦那さん探さないと、将来はずっとコンビニ弁当暮らしだよ。』って言われてる。」
苦笑い混じりに告白すると
「そっか。木本さんにも苦手なものがあるんだな。」
なんて言われてしまう。
「そんなの当たり前だよ。」
そう返した私に
「美人で、聡明で、気配りが出来て、優しくて、そして学力優秀・・・才色兼備って木本さんみたいな人のことをいうんだと思ってたから。」
なんて真面目な顔で言われるから
「そ、そんなことないよ。」
慌てて頭を振った。