With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
組み合わせ抽選会が終わると、大会はもう目前。練習試合も段々少なくなって来た。選手の間ではレギュラ-争い、そして20名のベンチ入りメンバ-の座を賭けたし烈な競争が繰り広げられている。
注目のエ-ス、背番号1を巡る戦いは、やはり星さんに軍配が上がったように見える。投球内容そのものを比較すると、むしろ白鳥くんの方がいいように見えるのだが、監督にはまた別の視点、考えがあるようだった。
当の白鳥くん自身はずっと口にしているように、現時点ではエースの座にそんなに固執はしてないらしく
「エースは星さんだけど、星さん1人で大会が乗り切れるわけでもない。俺の出番も必ずあるから、その時に力を発揮出来るように準備しないと。」
なんて言っているけど、そんな白鳥くんの態度に不満を漏らしているのが佐藤くんだ。
「何、呑気なこと言ってるんだ。ここまでの実戦の成績を見ても、どう考えてもお前の方が上だろう。1年だからって遠慮してねぇで、もっとアピ-ルしてけよ。東海の小林なんて、堂々たるエースじゃねぇか。」
「佐藤、お前がカリカリすることはないだろう。長丁場の大会を乗り切るには、ピッチャ-のコマは多い方がいいし、第一星さんは敵じゃないんだからさ。」
白鳥くんはそう言って、佐藤くんをなだめてるけど、佐藤くんがここまで熱くなっているのには、理由がある。
キャプテン以外のレギュラ-は白紙、グラウンドに立ったら学年は関係ないと監督は言うけど
「あのオッサン、言行不一致だ。」
と佐藤くんは憤懣やるかたない。彼のポジションであるライトは、3年生の東尾さんがレギュラ-に一歩リードしているように見えるが、佐藤くんはそれに納得してない。
「なぁ木本、俺はこの前の試合、2本ヒット打って、そのうち1本はタイムリ-だぜ。」
「うん、いい当たりだったよね。」
「そうだろう?でも同じ試合で東尾さんは送りバントの成功はあったけどノーヒット。どう考えても俺の方が上だろう。」
「まぁ・・・ね。」
「なのに今日の試合は俺はベンチだぜ。こんなのおかしくねぇか?」
ある日の試合の帰り道、私は佐藤くんに捕まって、怒りをぶちまけられた。
「あの人が選手として俺より優れてるとこなんて、あるかよ!」
「ちょっと、佐藤くん・・・。」
大声でまくし立ててくる佐藤くんを抑えると
「俺ははっきり言って、あのオッサンには嫌われてるから、仕方ねぇのかもしれねぇけど、でも納得いかねぇよ。」
とまで言い出すから
「そんな、監督が佐藤くんを嫌ってるなんて、そんなこと絶対ないって。」
慌ててたしなめる。
「じゃ、この仕打ちはなんでだよ。」
佐藤くんは納得しない。
注目のエ-ス、背番号1を巡る戦いは、やはり星さんに軍配が上がったように見える。投球内容そのものを比較すると、むしろ白鳥くんの方がいいように見えるのだが、監督にはまた別の視点、考えがあるようだった。
当の白鳥くん自身はずっと口にしているように、現時点ではエースの座にそんなに固執はしてないらしく
「エースは星さんだけど、星さん1人で大会が乗り切れるわけでもない。俺の出番も必ずあるから、その時に力を発揮出来るように準備しないと。」
なんて言っているけど、そんな白鳥くんの態度に不満を漏らしているのが佐藤くんだ。
「何、呑気なこと言ってるんだ。ここまでの実戦の成績を見ても、どう考えてもお前の方が上だろう。1年だからって遠慮してねぇで、もっとアピ-ルしてけよ。東海の小林なんて、堂々たるエースじゃねぇか。」
「佐藤、お前がカリカリすることはないだろう。長丁場の大会を乗り切るには、ピッチャ-のコマは多い方がいいし、第一星さんは敵じゃないんだからさ。」
白鳥くんはそう言って、佐藤くんをなだめてるけど、佐藤くんがここまで熱くなっているのには、理由がある。
キャプテン以外のレギュラ-は白紙、グラウンドに立ったら学年は関係ないと監督は言うけど
「あのオッサン、言行不一致だ。」
と佐藤くんは憤懣やるかたない。彼のポジションであるライトは、3年生の東尾さんがレギュラ-に一歩リードしているように見えるが、佐藤くんはそれに納得してない。
「なぁ木本、俺はこの前の試合、2本ヒット打って、そのうち1本はタイムリ-だぜ。」
「うん、いい当たりだったよね。」
「そうだろう?でも同じ試合で東尾さんは送りバントの成功はあったけどノーヒット。どう考えても俺の方が上だろう。」
「まぁ・・・ね。」
「なのに今日の試合は俺はベンチだぜ。こんなのおかしくねぇか?」
ある日の試合の帰り道、私は佐藤くんに捕まって、怒りをぶちまけられた。
「あの人が選手として俺より優れてるとこなんて、あるかよ!」
「ちょっと、佐藤くん・・・。」
大声でまくし立ててくる佐藤くんを抑えると
「俺ははっきり言って、あのオッサンには嫌われてるから、仕方ねぇのかもしれねぇけど、でも納得いかねぇよ。」
とまで言い出すから
「そんな、監督が佐藤くんを嫌ってるなんて、そんなこと絶対ないって。」
慌ててたしなめる。
「じゃ、この仕打ちはなんでだよ。」
佐藤くんは納得しない。