With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
かくして、私たちは約2週間ぶりにグラウンドに戻って来た。7月の声を聞き、梅雨明け宣言はまだだけど、容赦なく降り注ぐ日差しは、私たちに夏本番の、そして高校球児の夏の到来を告げている。
「いよいよ、だな。」
私がいつものように、準備に走り回っていると、キャプテンが空を見上げながら呟くように言う。
「俺達3年にとっては・・・最後の夏だ。」
「はい。」
その言葉に胸をつかれながら、私は頷く。
「今年もきっと暑い夏になる。どこまでやれるかわからんが、俺達は全力を尽くす。木本、一緒に戦おうな。」
「はい!」
キャプテンの言葉が嬉しくて、私は思わず大声で返事をする。その私の返事を聞いて、キャプテンはニコリと微笑むと
「よし、行こう!」
そう気合をつけると、グラウンドへ駆け出して行く。
(あと4日・・・。)
神奈川の高校球児にとって、聖地である横浜スタジアムで行われる開会式まであと4日。明日にはベンチ入りメンバ-20名が発表される。選手達の表情は一段と厳しくなり、グラウンド上の緊張感は否応にも増し、マネ-ジャ-の私ですら、フッと気後れを覚えるほどだ。
(だめだよ、そんなんじゃ。さっきもキャプテンに言われた通り、私も一緒に戦うんだから。)
私は自分を叱咤する。グラウンドに目を転じれば、松本くんが、大宮くんが、佐藤くんが、監督の放つ厳しいノックの洗礼を受けている。ブルペンでは、フリ-クたちの視線を一身に集めて、白鳥くんが全力投球を見せている。同級生達もみんな頑張っている・・・って、あれ、久保くんは・・・?
姿が見えないことに気付いて、私がキョロキョロしていると
「ミッチャン、ドリンクの補充終わったよ。やっぱり減りが早いよ。」
なんて言いながら、久保くんが近付いて来た。
「あ、ありがとう。」
「じゃ、僕も練習に入るから。」
私に笑顔を残して、ノックの輪に加わって行く。そんな彼の後ろ姿を複雑な思いで見送っていると
「木本、ノッカ-補助、代わってくれ。」
と声が掛かって
「はい。」
慌てて、監督の側に駆け寄った。
「いよいよ、だな。」
私がいつものように、準備に走り回っていると、キャプテンが空を見上げながら呟くように言う。
「俺達3年にとっては・・・最後の夏だ。」
「はい。」
その言葉に胸をつかれながら、私は頷く。
「今年もきっと暑い夏になる。どこまでやれるかわからんが、俺達は全力を尽くす。木本、一緒に戦おうな。」
「はい!」
キャプテンの言葉が嬉しくて、私は思わず大声で返事をする。その私の返事を聞いて、キャプテンはニコリと微笑むと
「よし、行こう!」
そう気合をつけると、グラウンドへ駆け出して行く。
(あと4日・・・。)
神奈川の高校球児にとって、聖地である横浜スタジアムで行われる開会式まであと4日。明日にはベンチ入りメンバ-20名が発表される。選手達の表情は一段と厳しくなり、グラウンド上の緊張感は否応にも増し、マネ-ジャ-の私ですら、フッと気後れを覚えるほどだ。
(だめだよ、そんなんじゃ。さっきもキャプテンに言われた通り、私も一緒に戦うんだから。)
私は自分を叱咤する。グラウンドに目を転じれば、松本くんが、大宮くんが、佐藤くんが、監督の放つ厳しいノックの洗礼を受けている。ブルペンでは、フリ-クたちの視線を一身に集めて、白鳥くんが全力投球を見せている。同級生達もみんな頑張っている・・・って、あれ、久保くんは・・・?
姿が見えないことに気付いて、私がキョロキョロしていると
「ミッチャン、ドリンクの補充終わったよ。やっぱり減りが早いよ。」
なんて言いながら、久保くんが近付いて来た。
「あ、ありがとう。」
「じゃ、僕も練習に入るから。」
私に笑顔を残して、ノックの輪に加わって行く。そんな彼の後ろ姿を複雑な思いで見送っていると
「木本、ノッカ-補助、代わってくれ。」
と声が掛かって
「はい。」
慌てて、監督の側に駆け寄った。