With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
レギュラ-メンバ-の9人、そしてベンチ入り20名の選手が発表される時が来た。野球の9つのポジションには、ピッチャ-が1、キャッチャ-が2というふうに内野から外野にかけて順番に番号が付いている。そして高校野球では、ポジションナンバ-がレギュラ-となった選手の背番号になる。だから、誰がどのポジションのレギュラ-なのか、一目瞭然となる。
厳しい練習を続けて来たのは、ひとえにその番号を背負って試合に出たい、その一心から。そして今、グラウンドに集まった1年から3年までの部員たちは、緊張の面持ちで、その発表を待ち構えている。
「ではこれよりベンチ入りする20名を発表する。名前を呼ばれた者は、前に出て、マネ-ジャ-から背番号入りのユニフォ-ムを受け取るように。」
監督の言葉に、部員たちがいっせいに私の方を見るから、思わずたじろいでしまう。
「1番、星勝。」
「はい。」
星副キャプテンの大きな返事がグラウンドに響く、やはりエースナンバ-を付けるのは3年生の星さんだった。発表の瞬間、私は白鳥くんの顔を見たけど、彼の表情は特に変わらなかった。
「頑張って下さい。」
そう言って、ユニフォ-ムを手渡すと
「ありがとう。」
星さんは笑顔で答えてくれた。
「2番、西達暁。」
これは誰にも依存はない。発表は続き、5番(サードのレギュラ-)は3年生の後藤さんの名前が呼ばれ、松本くんは落選。そして
「8番 大宮康浩。」
やはりセンタ-は大宮くんだった。ここまでの実績を考えれば、上級生たちも異論はなさそう。そして最後のレギュラ-、ライトのポジションを勝ち取ったのは
「9番 東尾猛。」
この瞬間、佐藤くんの顔色が変わったのが、はっきりわかった。何か言い出そうとしているので、まずい・・・と、私は感じたけど、サッと横にいた松本くんが抑えてくれて、とりあえずホっとする。
結局1年生でレギュラ-を掴んだのは大宮くん1人。でもベンチ入りメンバ-の発表は続き、10番(控え投手)に白鳥くん、更に15番(内野手控え)で松本くんが呼ばれた。本人は意外そうな顔をしてたけど
「おめでとう。」
私がそう言ってユニフォームを渡すと
「ありがとう。」
松本くんは、はにかんだように笑った。そして最後に20番(外野手控え)で佐藤くんの名が呼ばれ、仏頂面でひったくるように私からユニフォ-ムを受け取ったのを見届け
「以上がベンチ入りの20名だ。」
とうとう久保くんの名が呼ばれることなく、監督がそう宣言した。
厳しい練習を続けて来たのは、ひとえにその番号を背負って試合に出たい、その一心から。そして今、グラウンドに集まった1年から3年までの部員たちは、緊張の面持ちで、その発表を待ち構えている。
「ではこれよりベンチ入りする20名を発表する。名前を呼ばれた者は、前に出て、マネ-ジャ-から背番号入りのユニフォ-ムを受け取るように。」
監督の言葉に、部員たちがいっせいに私の方を見るから、思わずたじろいでしまう。
「1番、星勝。」
「はい。」
星副キャプテンの大きな返事がグラウンドに響く、やはりエースナンバ-を付けるのは3年生の星さんだった。発表の瞬間、私は白鳥くんの顔を見たけど、彼の表情は特に変わらなかった。
「頑張って下さい。」
そう言って、ユニフォ-ムを手渡すと
「ありがとう。」
星さんは笑顔で答えてくれた。
「2番、西達暁。」
これは誰にも依存はない。発表は続き、5番(サードのレギュラ-)は3年生の後藤さんの名前が呼ばれ、松本くんは落選。そして
「8番 大宮康浩。」
やはりセンタ-は大宮くんだった。ここまでの実績を考えれば、上級生たちも異論はなさそう。そして最後のレギュラ-、ライトのポジションを勝ち取ったのは
「9番 東尾猛。」
この瞬間、佐藤くんの顔色が変わったのが、はっきりわかった。何か言い出そうとしているので、まずい・・・と、私は感じたけど、サッと横にいた松本くんが抑えてくれて、とりあえずホっとする。
結局1年生でレギュラ-を掴んだのは大宮くん1人。でもベンチ入りメンバ-の発表は続き、10番(控え投手)に白鳥くん、更に15番(内野手控え)で松本くんが呼ばれた。本人は意外そうな顔をしてたけど
「おめでとう。」
私がそう言ってユニフォームを渡すと
「ありがとう。」
松本くんは、はにかんだように笑った。そして最後に20番(外野手控え)で佐藤くんの名が呼ばれ、仏頂面でひったくるように私からユニフォ-ムを受け取ったのを見届け
「以上がベンチ入りの20名だ。」
とうとう久保くんの名が呼ばれることなく、監督がそう宣言した。