With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
狙い通りのボールが来て、松本くんもいい当たりをしたんだけど、惜しくもファール。
そして2球目。松本くんのバットが再び動き出す。そして・・・
「えっ?」
凄まじい金属音と共に放たれた打球は見事な放物線を描いて、ライトスタンドへ向けて一直線。
「やった!」
思わず私は立ち上がる。それはそれは見事な、そして完璧なホームランだった。
「よし。」
佐藤くんも思わずガッツポ-ズ。
「省吾!」
普段は冷静な大宮くんも大声で、松本くんの名前を呼ぶ。大盛り上がりのベンチとは対照的に、当の松本くんは信じられないといった表情で、打球の行方を見ていたが、ふと我に返ると、ようやく走り出した。
ベ-スを一周して、ベンチに戻って来た松本くんは、まだ狐につままれたような表情をしている。
「松本くん、ナイスホ-ムラン。」
「やったな。」
「いや・・・初球が外角の変化球だったから、次は内角に真っすぐかなってヤマ張って、1.2.3のタイミングで振ったら、まさか・・・。」
「とにかく凄いよ。」
私の声に、松本くんは
「ありがとう。」
と言って、ようやく顔をほころばせた。
結局、この貴重な追加点がダメ押しになって、2-0のまま、我が校は見事に勝利。3回戦にコマを進めた。
試合終了後の両チ-ムの挨拶が終わると、選手達は今日応援来てくれたスタンドのみなさんへの挨拶へ走る。みんな晴れやかな顔で手を振っている姿を見ていると、私も自然に笑顔になるけど、ふと正面を見れば、相手校の選手達もスタンドに挨拶をしている。
しかし、その雰囲気は、ウチとは全く違う。涙を流している人たちも少なくない。それは残酷なほどの見事なコントラスト、私は思わず胸をつかれる。
やがて、ベンチに戻って来た選手達が、グラウンドに一礼して、ベンチ裏に下がると、私もあとに続く。
そして2球目。松本くんのバットが再び動き出す。そして・・・
「えっ?」
凄まじい金属音と共に放たれた打球は見事な放物線を描いて、ライトスタンドへ向けて一直線。
「やった!」
思わず私は立ち上がる。それはそれは見事な、そして完璧なホームランだった。
「よし。」
佐藤くんも思わずガッツポ-ズ。
「省吾!」
普段は冷静な大宮くんも大声で、松本くんの名前を呼ぶ。大盛り上がりのベンチとは対照的に、当の松本くんは信じられないといった表情で、打球の行方を見ていたが、ふと我に返ると、ようやく走り出した。
ベ-スを一周して、ベンチに戻って来た松本くんは、まだ狐につままれたような表情をしている。
「松本くん、ナイスホ-ムラン。」
「やったな。」
「いや・・・初球が外角の変化球だったから、次は内角に真っすぐかなってヤマ張って、1.2.3のタイミングで振ったら、まさか・・・。」
「とにかく凄いよ。」
私の声に、松本くんは
「ありがとう。」
と言って、ようやく顔をほころばせた。
結局、この貴重な追加点がダメ押しになって、2-0のまま、我が校は見事に勝利。3回戦にコマを進めた。
試合終了後の両チ-ムの挨拶が終わると、選手達は今日応援来てくれたスタンドのみなさんへの挨拶へ走る。みんな晴れやかな顔で手を振っている姿を見ていると、私も自然に笑顔になるけど、ふと正面を見れば、相手校の選手達もスタンドに挨拶をしている。
しかし、その雰囲気は、ウチとは全く違う。涙を流している人たちも少なくない。それは残酷なほどの見事なコントラスト、私は思わず胸をつかれる。
やがて、ベンチに戻って来た選手達が、グラウンドに一礼して、ベンチ裏に下がると、私もあとに続く。