秘密の出産をするはずが、エリート外科医に赤ちゃんごと包み愛されています
夕飯は疲れたから今日は作らない。それでもお腹は空くので、なにか買って帰るか、どこかで食べていくか。
ガッツリしたものが食べたい。だとすると、店で食べる方がいいな。
どうしようかと思い悩んでいると、タイミングよくスマホに着信があった。
同じ病院の他科で働く同期の井田美咲だ。
「杏奈? お疲れー。暇だったら、飲みにいかない?」
夜勤明けで目が覚め、退屈しているから飲みに行こうというお誘いだった。快くオッケーして電話を切ると、すぐさま店の地図が送られてきた。
『予約しといたからー!』というメッセージが続けざまに届く。
さすが美咲、仕事が早い。
店までは徒歩で十分ほどの、赤レンガ造りの外観がとてもかわいい女性が好きそうなイタリアンの店だった。美咲はすでに到着して先に席へと着いている。
「お疲れさま」