秘密の出産をするはずが、エリート外科医に赤ちゃんごと包み愛されています
バスタオル一枚で下半身を覆った彼の鍛え上げられた上半身が、一糸まとわずあらわになっていた。
傷一つない光沢のある肌は、水分を弾きそうなほど艶やかで目を奪われる。
これまでにどれほどの女性が彼に愛されたのだろう。
その唇でどれだけの甘い言葉を囁いたのだろう。
普段人の命を預かる立場の彼はどんなふうに女性を抱くのだろう。
想像すると胸の奥底がチリチリと痛んで、私は考えを吹き飛ばそうと頭を振った。
まったくこんな時に何を考えているのよ。
完全に酔いは醒めたと思っていたけれど、激しい動悸がする。
これ以上一緒にはいられない。早くここから立ち去れと、頭の中でもう一人の自分が言っている。
「ご、ご迷惑をおかけしました」
「そんなに慌てて帰る必要はないだろ」
焦って落ち着かない私と、反対に余裕たっぷりの三井先生。
彼は濡れた前髪をかき上げながら私のそばのベッドの端に腰を下ろした。
シーツが沈む感覚に身体が強張る。
それでもお構いなしに距離を詰め、彼は私に目線を合わせてきた。
男らしく力強い眼差しと視線が交わる。
「今夜は逃さない」
「……っ」
「やっとここまできたんだからな。覚悟しておけ」
何を言っているのだろうと考える余裕もないくらい、オスの顔をした三井先生に翻弄される。
もう逃げられない。